アマゾンのウェブサービスに障害 - 暴風雨による停電の影響、サードパーティも道連れに
2012.07.02
Updated by WirelessWire News編集部 on July 2, 2012, 10:21 am JST
2012.07.02
Updated by WirelessWire News編集部 on July 2, 2012, 10:21 am JST
米大西洋岸の各地に被害をもたらした大規模な暴風雨の影響で、米国時間6月29日の夜、アマゾン(Amazon)のクラウド・コンピューティング・サービスを提供するデータセンターが停電。同サービスを利用するネットフリックス(Netflix)やインスタグラム(Instagram)などサードパーティの各サービスが一時的に利用できなくなるという事態が発生した。
この日、暴風雨によって大西洋岸の広汎な地域で停電が起きたが、ヴァージニア州にあるアマゾンのデータセンターもこの影響で、現地時間29日夜半からAmazon Web Service(AWS)のシステムが正常に作動しなくなった。具体的には、アマゾンの提供する「Elastic Compute」「Elastic Cache」「Elastic MapReduce」「 Relational Database Services」などが1時間以上使えない状態が続いたという。
この暴風雨(台風)による停電でワシントンDCやその周辺では約150万人、隣接するバージニア州北部でも約50万人が電気を使えない状況になったが、この地域をカバーするドミニオン・バージニア・パワー(Dominion Virginia Power)という電力会社では「最大時速80マイルもの強風により、大規模な停電が発生した」と説明。
AWSを利用するネットフリックスやインスタグラム、ピンタレスト(Pinterest)などのサービスは、この停電発生とほぼ同時にシステム障害が発生。ネットフリックスとピンタレストのサービスは比較的復旧が早かったものの、インスタグラムのサービス障害は翌日まで続いたという。
アマゾンのAWSでシステム障害が発生したのは6月に入って2度目。また過去にも2011年4月などに大規模な障害が発生していた。
AWSは、新興企業などでも利用しやすい価格体系が受け、すでに数多くの顧客を獲得しているが、グーグル(Google)が先週のGoogle I/OでAWSと競合する「Google Compute Engine」を発表したこともあり、その信頼性をさらに厳しく問われることになりそうだ。
また、フェイスブック(Facebook)やツィッター(Twitter)をはじめとするウェブサービスだけでなく、アップル「Siri」のようにコンピューティング・クラウドの存在を前提としたサービスの提供を通じて端末の差別化をはかる例なども目立って増えてきているなかで、このインフラ部分に関する信頼性が、多くの企業の競争力を左右する可能性も高まりそうだ。
【参照情報】
・Amazon Web Services Knocked Offline by Storms - Bits (NYTimes)
・Eastern Storms Disrupt Amazon.com Data Centers - WSJ
・Latest outage raises more questions about Amazon cloud - GigaOM
・Severe storms cause Amazon Web Services outage - GigaOM
・Will Amazon outage ding cloud confidence? - GigaOM
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