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通信業界で求められる人材とは -人材サービスの現場から見た求人事情

2013.02.26

Updated by WirelessWire News編集部 on February 26, 2013, 15:30 pm JST Sponsored by 株式会社パソナテック

急速なLTEのエリア形成、データオフロードを目的としたWi-Fi網の整備、「土管化」を避けるためのサービス設計など、急速な変化のただなかにある通信業界。そこでは、どのような人材が求められているのだろうか。通信業界に多くの人材を供給している、株式会社パソナテックに取材した。

即戦力が足りない、ネットワーク系・クラウド系エンジニア

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中川 幸造 氏
株式会社パソナテック 東日本営業部 通信キャリアグループ グループ長

「通信業界では、基盤系、特にネットワークエンジニアは、慢性的に足りない状態です」(中川氏)。固定系通信については、成長率こそ低いものの既存インフラの更新業務という一定のニーズが安定して存在する。移動系ではキャリアのLTE基地局展開に加え、実はWi-Fi系の基地局の展開に各キャリアとも相当注力しており、基地局の設置や施工、ネットワーク設計を行う事業者に動きがある。「おそらく2014年頃までは、この活況は続くのではないかと予想しています」(中川氏)

また、通信事業者からの求人で最近人材ニーズが高まっているのが、仮想化技術やクラウドの分野だ。各社が今後の重点事業として位置付けており、投資をここに集中したいという意向がある。エンジニアだけでなく、セールスの求人も増えていることが特徴だ。「商品開発と並行してどんどん新しい商品やサービスを売り込む必要があるので、プリセールスができる、営業支援ができるエンジニアが望まれています。この傾向は特にここ1、2年で落ち着くものではなく、当面は続くと思われます」(中川氏)

では、人材の方はどうなのだろうか。「各社ともネットワークの設計ができる即戦力を求めていますが、一方で、今すぐ一線で活躍できるような優れた人材については「囲い込み」が進行しています」と久米氏は語る。現場で働くエンジニアも、「いい会社があれば転職したい」という考え方を持ちながらも、今は身動きができない環境にあるケースが増えている。このような状況を企業側も理解はしており、「即戦力でなくとも、これから育てていくための素養のある人材をコーディネイトしてもらえないか」という引き合いが増えているのが現状だという。

通信業界で活躍するためのスキルチェンジの方法論

パソナテックでは、経済産業省が策定したITスキル標準(ITSS)をカスタマイズした「PT-ITSS」を人材サービスのフレームワークとして導入しており、エンジニアのスキルと企業ニーズの把握、スキルマッチングに活用するほか、キャリア開発にも活用している。

▼PT-ITSS(クリックして詳細を見る
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通信業界で求められているのは、主に「プロダクトスペシャリスト」の中でもネットワーク分野の人材。システム運用、サービス&サポートからはじめて、徐々に知識を身に着けていくことで、求められる人材へと近づいていく。顧客企業の中で育成しながら現場に配置することを提案し、人材需給のギャップを埋めていく。

求められるスキルと現状のギャップを埋めるには、3つの方法があるとパソナテックでは考えている。「一つめは、自社で技術者を教育すること。二つめは、お客様である企業に育成のための環境を揃えていただくこと。そして三つめが、仕事ができるパソナテックの先輩や上司が席を並べて指導すること。その3つがそろえば、誰でもステップアップはできると思っています。逆に、一つでも欠けてしまうと、どうしても個人の能力に依存してしまうことになります」(中川氏)

この方法は企業にとってもメリットがある。「どうせ教育する必要があるなら、他社の色に染まっていない、うちの色にあった人が欲しい、というオーダーもあります。先ほどの3つの条件があれば、最初から自社のルールに合わせて人材を育てられます」(久米氏)

通信事業者であれSIerであれ、同じ業務、工程でも、会社によって肩書きと役割の対応、ドキュメントの作り方、会議のルールなど、いわゆる「お作法」がかなり異なる。技術を求められる派遣スタッフであれば、そこは割り切って自分の「技術」を提供する、という形が本来の姿かもしれない。だが、これから学ばなくてはいけないことがまだまだ多い若手エンジニアにとっては、技術を身に付けるための最初の手がかりとして、このような入り方も有効だろう。

「サービスをまるごとアウトソーシング」する事例も

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久米 廣志 氏
株式会社パソナテック マーケティング企画部 エンジニア採用グループ グループ長

エンジニアの全体的な傾向としては、「リーマンショックや東日本大震災、不安定な経済・景気など先行き不透明な環境が影響してか、安心・安定を好み、できれば正社員になりたいという志向は根強い」と久米氏は語る。また、客先常駐型の現場を転々とするだけの職場では、安定感がなく自身のキャリアを作りにくいと、できるだけ社内SEや自社サービスの開発など自社内のポジションを求める傾向もある。

だが、そのような職種の求人は既に飽和しており、なかなか新たな人材ニーズは生まれにくい。パソナテックでは、登録型一般派遣や紹介予定型派遣とは別に、パソナテックの正社員あるいは「年間雇用型スペシャリスト」として働くという雇用形態もある。技術者集団のパソナテックが、顧客からアウトソーシングで業務を受託し、社内のプロジェクトチームで取り組むというものだ。

2008年から5年かけて人員を増強しており、現在では売上のほぼ3割を業務委託が占める。「派遣、アウトソーシング、コンサルティングなど、さまざまなサービスを提供できるパートナーとして、何かあればご相談いただくという関係をお客様とは築いています」と中川氏は語る。

登録型派遣社員として働くエンジニアの中で、希望者がアウトソーシングチームに異動するケースもある。上原氏もその一人で、現在は通信事業者のクラウド系サービスの運用を任されている。「社内のチームでキャリアを積んで、技術力に加えてマネジメント力を身に着け、プロジェクトマネージャーとして顧客にサービスを提供できるようになります」と、自らの体験を語る。顧客のさまざまな部署と折衝することで、キャリアアップをはかることもできる。

一方、通信業界については他の業界に比べると「自分のキャリアを極めたい、『自分のかかわりたい技術で仕事をする』快適さを求めたい」というエンジニアの比率も高く、二極化している。特に、通信、ネットワーク関連のエンジニアには、「スキルを磨いて上級職としてプロジェクトマネジメントに携わるのではなく、通信、ネットワークのスペシャリストになりたい」という人も多いという。「最近の事例ですと、正社員で、CCIE(Cisco Certified Internetwork Expert)まで持っているのに、『もっと技術を磨きたいのに社内にはもうマネジメントのポジションしかないので転職を考えています』という方がいらっしゃいました。パソナテックなら、派遣や委託でさまざまな現場があるということで、登録される方もいます」(久米氏)また、中には、派遣スタッフとして働いていて、企業からの要望で正社員になるケースもあるという。新しい企業と出会う場として、まずは派遣という働き方を選ぶという考え方もあるかもしれない。

ひとつの技術を極めたい、正社員になって安定した生活をしたい、仕事とは別の夢を持ち、その実現のために仕事をしている、6時に終わって自分の時間を確保できることが最優先など、さまざまな働き方を志向するエンジニアがいる。働き方はライフスタイルと密接な関係がある。パソナテックではスタッフに営業担当者とは別にキャリアアドバイザーをアサインしており、今後の働き方についてのアドバイスをしたり、ライフプランに沿った仕事を提示している。

「こうなりたい」を言えるのがこれから伸びるエンジニア

最後に、「これから通信業界で活躍できるエンジニア」像を聞いた。

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上原 知典 氏
株式会社パソナテック 東日本営業部 通信キャリアグループ プロジェクトリーダー

上原氏は現場の立場から「歌って踊れるエンジニア」と表現する。「技術だけ、マネジメントだけではなく、なんでも柔軟に自分のものにしていこうという意識のある人を望みます。特に現在の仕事がクラウド系で、幅広い知識が要求されるので、一つの技術だけにこだわる人よりは、広く浅く、どんなことでもいろんな人としゃべれる人がいいと思います。キャリアカウンセラーやスキルフレームワーク、スキルアップセミナーなど、さまざまなシステムを自分にあったスタイルで大いに利用して、スキルを高めてほしいと思います」

エンジニアのスキルアップサポートのために、パソナテックでは、セミナーを年間200本近く開催している。テーマを見ると、「次世代エンタープライズ開発で求められるエンジニアの適応力」といった広い話から「派遣で働くエンジニアのためのルーティングプロトコル ワンデイ」といったきわめてニッチなものまでさまざま。規模も、10人以下のハンズオン形式のものから、100人以上が集まるものまであるが、ほぼすべてのセミナーで定員は埋まっているという。「ここまでセミナーや勉強会をオープンにやっている人材会社はあまりないと思います」(久米氏)

SKILL BASECAMP 2013
「私たちはエンジニアの方とはパートナーの関係でいたいと考えています」と中川氏は語る。そのために、エンジニアには「自分自身でこうなりたい」という意思を持ってほしいという。「でも今は情報が溢れすぎていて、何をどうすれば自分の『なりたい』が実現できるのか分からないという人もいると思います。そういう方には、さまざまな業界をITという切り口で見ている立場からアドバイスします。自ら動いていく方には、機会はいくらでもあります」(久米氏)

急速な変化に伴い人材ニーズの多様化も進む通信業界。今は、即戦力となれるスキルを持ったエンジニアは引く手あまたなのはもちろん、経験が浅いエンジニアにとっても、業界内で経験を積みながらスキルを身につけ、キャリアを築くこともできる好機だといえるだろう。

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