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SDNをオフィスネットワークに拡張し管理を容易に、ストラトスフィアが取り組みを説明

2013.09.12

Updated by Naohisa Iwamoto on September 12, 2013, 19:54 pm JST

SDN(Software Defined Network)の基盤ソフトウエア技術を手がけるストラトスフィアは2013年9月11日、SDN最新動向とストラトスフィアの取り組みに関して記者説明会を開催した。SDNはこれまで、データセンターや通信事業者での利用が始まっているが、今後はオフィスのネットワークに柔軟性を持たせる形態での利用が進むと説明した。

▼オフィスネットワークの課題はSDNで解決可能20130912_sdn001.jpg

SDNはネットワーク機器を物理レイヤーと論理レイヤーに分割し、ネットワークを仮想化してソフトウエアで制御できるようにする技術。データセンターや通信事業者のネットワークにおいてスケーラビリティ確保などに適用する。インターネットイニシアティブ(IIJ)とACCESSが出資するストラトスフィアは、SDNの基盤ソフトウエアの研究開発を行っている。

同社は、仮想ネットワークソリューションの「OmniSphere」(オムニスフィア)を2013年6月に開発し、SDNの適用範囲をオフィスのネットワークにまで広げる道筋を付けた。「オフィスのネットワークは人事異動や引っ越し、部署の移動などで常に変化し続けている。有線LANだけでなく無線LANも含めて手間がかかっているオフィスネットワークの管理を、SDNによる仮想ネットワークで簡素化できる」(ストラトスフィア 代表取締役社長の浅羽登志也氏)。説明会では、SDNが複雑化するオフィスネットワーク管理に有効であることをアピールした。

▼アライドテレシスとの技術協力によりOmniSphere対応の実証実験機が登場20130912_sdn002.jpg

OmniSphereによるオフィスネットワークのSDN対応に向けて、ストラトスフィアはアライドテレシスと技術協力することを2013年9月11日に発表した。技術協力の内容は2つ。1つはストラトスフィアがアライドテレシスにOmniSphereを提供し、アライドテレシスがOmniSphere対応スイッチと無線LANアクセスポイントの実証実験機を提供すること。もう1つは、製品の商用化に当たって相互接続実験やSDNによる有線/無線LANの管理を効率化する技術検証を共同で行うこと。技術協力の発表に合わせて、ストラトスフィアはOmniSphereを「OmniSphere ver.1.0.0」として正式リリースした。

【報道発表資料】
アライドテレシスとストラトスフィアがオフィスネットワーク向けSDNソリューション分野での技術協力を発表

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。