マイクロソフトもcookieに代わるユーザー識別手段を開発中(AdAge報道)
2013.10.11
Updated by WirelessWire News編集部 on October 11, 2013, 10:48 am JST
2013.10.11
Updated by WirelessWire News編集部 on October 11, 2013, 10:48 am JST
グーグル(Google)がcookieに代わるユーザー識別手段を開発中とする話が数週間前に報じられていたが、米国時間9日にはAdAgeが、マイクロソフト(Microsoft)でも新たなユーザー識別手段を開発中であると報じている。
ウェブ業界では通常「cookie」と呼ばれるテキストをユーザーのブラウザに付与することで、オンライン上でユーザーを識別している。特に、閲覧中のサイト運営者とは別の第三者によって付与される「サードバーティーcookie」は、グーグルやマイクロソフトをはじめとするインターネット広告企業が、ユーザーの興味関心に応じた広告の配信することや、広告効果のトラッキングを行うことなどに活用されている。しかしこの手法では、異なる端末からアクセスしたユーザーを同一人物とみなすことができないという問題がある。
AdAgeでは、マイクロソフトが開発中の技術について、この開発計画がまだ初期の段階にあり、具体的な仕組みや導入時期などの詳細は明らかになっていないとしている。ただし、この新たな仕組みでは端末ごとに識別を行う手法を採り、同じユーザーがWindows PC、XBox、Windows Phone端末など異なる端末からウェブサイトやサービスにアクセスした場合も、同一人物であることがわかるものになるため、複数の端末をまたいだ広告配信が可能になるという。
サードパーティ製cookieは、FirefoxやInternet Explorerに「Do Not Track」機能が実装され、ユーザー追跡が難しくなっていることに加え、さまざまな端末を横断する形でのユーザー識別も可能な範囲が限られていることなどから、それに代わる新たな手段を模索する動きが続いている。グーグルでは「AdID」と呼ばれる新技術の開発が進んでいるとされるほか、アップル(Apple)でもiOS端末に「Identifier for Advertising」 (IDFA) という独自の追跡技術を導入している。またFacebookのユーザーIDを利用したサードパーティ・サービス/アプリへのログイン機能も同様の追跡手段となっているとThe Vergeでは記している。
いっぽう、こうした大手各社の動きに対しては、ターゲティング広告の基盤となる重要な情報が一握りの企業に独占される懸念もあるとして、一部から批判の声も上がっているという。また、規制当局にとっては監督の対象が少なくなることによる利点とともに市場競争の低下につながる問題の可能性もあるという。
【参照情報】
・Bye, Bye Cookie: Microsoft Plots Its Own Tracking Technology to Span Desktop, Mobile, Xbox - AdAge
・Microsoft said to work on technology to replace cookies, track across Windows, Bing, and Xbox - The Verge
・Microsoft plans to drop cookies, embrace cross-device tracking tools - GigaOM
おすすめ記事と編集部のお知らせをお送りします。(毎週月曜日配信)
登録はこちら