免許不要の周波数帯の電波を使って、長距離かつ低消費電力の無線技術でIoT(モノのインターネット)を実現しようとするベンチャー企業がカリフォルニア州レッドウッド・シティーにある。IoT(the Internet of Things)+era(時代)=Ioteraという名で2009年創業のベンチャーが持っている技術は、マッチ箱大のケースに収めたGPS内蔵の無線タグで8マイル(10キロ弱)先まで情報を送ることができるという。
GPS搭載だとバッテリーが心配だが、Ioteraの基板は一回の充電で最大4か月動作するそうだ。基地局(アクセスポイント)は高さ30センチほどで価格は数万円になる予定。半径10キロを1台でカバーできるなら相当安価だ。水道メーターの読み取り程度ならアクセスポイント当たり1万台以上、GPS位置情報を30秒ごとに集めるような利用形態なら数百台を収容できる。
最初の用途は子供がどこにいるかという位置情報の収集のためバックパックにつけるタグを作っているが、工事現場の工具類の位置情報のほか、機器や製品在庫、人やペットなど想定できる用途は広く、同社のウェブサイトによれば安全性と効率性を高めたスマート・シティを作ることがビジョンだという。
商用化は少し先かもしれないが、周波数割り当ても不要で、10キロ近くカバーできて、バッテリーが何か月ももつとなるとIoT本格普及が現実味を帯びることは間違いなさそうだ。
【参照情報】
・Ioteraのウェブサイト
・Iotera aims to use unlicensed spectrum for long-range tracking
・The Internet of Things, Unplugged and Untethered
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