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[2014年第1週]年末年始に通信トラブルなし、鉄道のトンネル内のエリア化が一層拡充

2014.01.06

Updated by Naohisa Iwamoto on January 6, 2014, 12:30 pm JST

あけましておめでとうございます。2014年のみなさまのご多幸を心からお祈り申し上げます。

2014年は大きな通信トラブルに見舞われることもなく、穏やかにスタートした。1年前の2013年を迎える年末年始にはKDDIがLTE対応端末でデータ通信サービスが使えなくなるといったトラブルが発生した。その後もトラブルが頻発し、KDDIの田中社長が何度も謝罪する姿を見ることになった。さらに1年前の2012年には、NTTドコモのspモードメールで不具合が頻発していた。通信が集中する年末年始は通信事業者にとって鬼門の1つでもあるが、今年は大きなトラブルがなかったことから、スマートフォン対応のネットワーク構成がだいぶ安定してきたと考えられそうだ。

2013年は「無料通話/チャット」が人気、今春も学割開始

年末のニュースをおさらいしておこう。まず、1年の振り返りのニュースから。2013年には、どんなジャンルのスマートフォンアプリが利用されたのだろうか。MMD研究所の「2013年スマートフォンアプリの利用実態調査」の結果から傾向が見て取れる。その結果によると、最も利用したアプリのジャンルは「無料通話/チャット」が他を引き離す30.5%の回答を得て首位になった。「LINE」がスマートフォンのキラーアプリケーションとして認知された2013年を物語っている。続いて「SNS」(14.5%)、「ゲーム」(9.5%)、「天気」(6.8%)、「ナビゲーション」(3.8%)の順に回答が多かった。「動画」は3.6%で6位だった(関連記事:2013年に最も利用したアプリは「無料通話/チャット」、ゲームは「パズル」--MMD研究所)。

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春に向けたキャリアの施策の発表もあった。NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルの携帯電話大手3社は、2014年春に実施する「学割」キャンペーンの概要をそれぞれ発表した。いずれも、学生に対して最大3年間にわたり基本料金が無料になる割引を実施するなどの特典がある。また学生の家族の基本料金を割り引くキャンペーンも同時に実施する。最も契約が伸びる春に向けて、各社ともニューカマーである学生の取り合いに必死だ(関連記事:来春も実施、最大3年間基本料金無料の「学割」が3キャリアから出揃う)。

SIMロックフリー端末などで使えるいわゆる「格安SIM」で、日本通信が攻勢をかけている。その1つが、月額1000円以下で提供するSIMに追加する2つの新サービスだ。これらは競合するMVNOであるインターネットイニシアティブ(IIJ)、NTTコミュニケーションズに対抗し、同料金でサービスの内容を充実させたもの。IIJ対抗の「プランI」は高速データ通信を月間600MBまで(IIJは月間500MBまで)、NTTコム対抗の「プランN」高速データ通信が1日に40MBまで(NTTコムは30MBまで)とお得感を打ち出した(関連記事:日本通信、競合MVNO事業者に対抗する新SIMサービス)。

LTE端末の電波が健康に与える影響に対する見解が発表された。総務省は、LTE方式の携帯電話の電波が、植込み型心臓ペースメーカーおよび植込み型除細動器に与える影響を調査した結果、これらの医療機器の動作への影響は確認されなかったと発表した。LTE端末でも医療機器に影響が出なかったため、総務省は「各種電波利用機器の電波が植込み型医療機器へ及ぼす影響を防止するための指針」を改定する。指針には、携帯電話端末を植込み型医療機器の装着部位から15cm以上離すこと--といった記述があり、この指針の対象となる「携帯電話端末及びPHS端末」の表に「LTE(800MHz、1.7GHz、2GHz)」を追加する(関連記事:総務省、LTE端末も心臓ペースメーカーに影響なしとの調査結果、従来指針をLTEにも拡張)。

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鉄道の地下区間、関西や首都圏でサービスエリア拡充

2013年の年末には、鉄道の地下区間の携帯電話サービスエリア化のニュースが目についた。地下区間で平常時にメールやインターネットができるだけでなく、万が一の災害時に連絡する手段が確保できる。

NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルの3社は、大阪市営地下鉄の今里筋線「関目成育駅〜今里駅」区間で携帯電話サービスの提供を始めた。駅構内および駅間のトンネルでインターネット接続やメール送受信といった携帯電話サービスが利用できる。今里筋線の地下区間で携帯電話サービスが提供されるのはこれが初めて(関連記事:大阪市営地下鉄今里筋線における携帯電話サービス提供開始について)。

同じくNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルの3社は、地下区間である近畿日本鉄道の「大阪難波駅〜鶴橋駅」区間でも携帯電話サービスの提供を開始した。
(関連記事:近畿日本鉄道「大阪難波駅〜鶴橋駅」区間で新たに携帯電話サービスを提供開始)。

首都圏でも鉄道の地下区間におけるエリア拡充のアナウンスが、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルの3社からあった。1つは、西武鉄道の西武有楽町線「練馬駅〜小竹向原駅」区間のトンネル内のサービス提供(報道発表資料:西武鉄道 西武有楽町線「練馬駅〜小竹向原駅」区間のトンネル内で携帯電話サービスを提供開始)。

もう1つは横浜市営地下鉄「ブルーライン」の「湘南台駅〜新羽駅」区間で、これにより横浜市営地下鉄は全区間が携帯電話サービスのエリアになった(報道発表資料:横浜市営地下鉄の全区間で携帯電話サービスの利用が可能に!)。

昨年の第1週のできごと

・「あけおめ」対策は通信のみ規制にシフト
・年末恒例の不具合? 今年はKDDIがLTEでトラブル
・2013年は地下鉄で通信OKの年に、キャリア満足度はKDDI

[2013年第1週]「あけおめ」メールは大きな混乱なし、KDDIは年末年始にLTEで通信トラブル

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。