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テルアビブで大人気のサイクルシェア「Tel-O-Fun」

2014.02.12

Updated by Hitoshi Sato on February 12, 2014, 00:30 am JST

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気候が良い地中海沿いイスラエルの都市テルアビブでは「サイクルシェア」が大人気である。2011年4月にテルアビブ市が導入し、現在ではテルアビブおよびヤッフォ周辺に170か所以上のステーションに約2,000台の自転車がある。利用者は借りたい時に近くのステーションで自転車を借りて、近くのステーションで返却することが可能である。24時間いつでも利用できる(但し、ユダヤ教徒は金曜、土曜は自転車にも乗っていないので、金曜・土曜に利用しているのはほとんどが観光客である)。テルアビブは治安も良いので、盗難も少ない。また壊されていることも少ないのできれいで、非常に快適である。

地元の人や観光客など多くの人が自転車を借りて、自分が行きたいところに自転車で行く。自転車は近くのステーションに返却すればよい(但し、目的地の近くにステーションがなくて、少し離れたところから歩かなくてはならないこともあるので要注意)。ステーションが目の前にあるレストランやスーパーは、自転車を返しに来る観光客や地元の人がついでに利用してくれるために繁盛している。

テルアビブではバスなどの公共交通機関も発達しているが、ちょっと移動するには自転車が便利である。環境にも優しい。またテルアビブの物価は非常に高い。タクシーは初乗り約15 NIS(約450円)だが、決して安くはない。長距離の移動なら自動車が必要だが、ちょっとした移動であれば自転車の方が安くて効率的である。一部だが自転車専用道路も設置されており、安全も確保できる(これは外国人にとっては嬉しいことである)。また街の彼方此方で自転車置き場を見かける(自転車をチェーンで繋いでいる)。

このようなサイクルシェアはロンドン、パリ、ニューヨークなどでも導入されている。特にロンドやパリは非常に有名である。気候が良いせいか、物価が高いせいか、治安がよいせいか、それは不明だが、テルアビブほどサイクルシェアを利用している都市を世界で見たことがないくらい多くの人が「Tel-O-Fun」を利用している。

テルアビブ市にとっても快適な街作りに貢献している「Tel-O-Fun」事業は順調と言えるだろう。日本人にとってテルアビブはあまり馴染みのない街かもしれないが、テルアビブに来る機会があれば、是非「Tel-O-Fun」でテルアビブ市内を散策してみてください。

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テルアビブのロスチャイルドストリート。個人の所有している自転車に乗っている人も多い。

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ちょっとテルアビブの海岸沿いを走るには自転車ちょうど良いので観光客にも人気がある。ただし、夏は暑いので注意が必要。

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街の中では自転車が出払っていること多く、空きのスタンドが目立つ。貸出期間は1日、1週間、1年などのプランがある。

【参考動画】

【参照情報】
Tel-O-Fun
FSM

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佐藤 仁(さとう・ひとし)

2010年12月より情報通信総合研究所にてグローバルガバナンスにおける情報通信の果たす役割や技術動向に関する調査・研究に従事している。情報通信技術の発展によって世界は大きく変わってきたが、それらはグローバルガバナンスの中でどのような位置付けにあるのか、そして国際秩序と日本社会にどのような影響を与えて、未来をどのように変えていくのかを研究している。修士(国際政治学)、修士(社会デザイン学)。近著では「情報通信アウトルック2014:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)、「情報通信アウトルック2013:ビッグデータが社会を変える」(NTT出版・共著)など。