インドでの2013年の携帯電話出荷台数は2億5,700万台で、そのうちスマートフォンは4,400万台だったとIDCインドが2014年2月26日に発表した。なお、2012年は携帯電話出荷台数が2億1,800万台でスマートフォンは1,620万台だった。
▼インド市場における携帯電話出荷総数とスマートフォンの内訳
(IDC発表資料を元に筆者作成)
また、2013年第4四半期(10~12月)でのスマートフォンの出荷台数は1,506万台で、携帯電話総出荷(6,783万台)に占める割合は22%となり、2013年1年間でも四半期ごとにスマートフォンの比率が増えてきている。それでもまだインド市場では20%程度なのである。つまり、残りの80%程度はまだフィーチャーフォンなのだ。
▼インド市場における携帯電話出荷とスマートフォン出荷の比率
(出典:IDC)
2013年第4四半期のインドでの携帯電話(スマホ含む)のメーカー別の販売台数は以下の通りである。第1四半期にはノキアが2位だったが、ついにノキアは地場メーカーのMicromaxに抜かれて3位になってしまった。
▼2013年第4四半期のインド市場での携帯電話全体(スマホ含む)出荷メーカー別ランキング
(IDC発表資料を元に筆者作成)
続いて第4四半期のインドにおけるスマートフォンのメーカー別出荷台数をみていこう。同期(2013年10月~12月)のインドにおけるスマートフォンの出荷総数は1,506万台で、2012年同期は535万台だったことから、インドにおけるスマートフォン販売は181%増と大きく伸びていることがわかる。それでもまだインド市場における携帯電話全体の販売の中ではフィーチャーフォンの方が多い。なお日本での1年間(12か月)での携帯電話(スマホ含む)出荷総数が約4,000万台であるから、インドの3か月分の出荷台数の方がはるかに多い。
スマートフォンのメーカー別ランキングだと、ソニーが4位にランクインしているが、携帯電話全体では3位にランクインしているノキアは入っていない。それだけノキアはフィーチャーフォンに強いということである。
▼2013年第4四半期のインド市場でのスマートフォン出荷メーカー別ランキング
(IDC発表資料を元に筆者作成)
本レポートでもインドのスマートフォン市場について取り上げてきた。
・成長余地の高いインドのスマートフォン市場に挑むパナソニック
・インド初のグローバルメーカーを目指すMicromax
・ヒューレット・パッカードが狙うインドのスマートフォン市場
スマートフォンもコモディティ化してきており、2014年2月にバルセロナで開催されたMobile World Congressでは25ドルのスマートフォンも登場していた。今後もますますインド市場におけるスマートフォンの比率は増加していくだろう。巨大な潜在力を持つスマートフォン市場には地場メーカーだけでなく、多くの海外メーカーも参入しており、これからも激しい競争は続く。新興国のスマートフォン市場はあっというまに形勢逆転することもありうる市場である。これからどのメーカーがインド市場を制するのであろうか。
【参考動画】
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【参照情報】
・IDCリリース
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登録はこちら2010年12月より情報通信総合研究所にてグローバルガバナンスにおける情報通信の果たす役割や技術動向に関する調査・研究に従事している。情報通信技術の発展によって世界は大きく変わってきたが、それらはグローバルガバナンスの中でどのような位置付けにあるのか、そして国際秩序と日本社会にどのような影響を与えて、未来をどのように変えていくのかを研究している。修士(国際政治学)、修士(社会デザイン学)。近著では「情報通信アウトルック2014:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)、「情報通信アウトルック2013:ビッグデータが社会を変える」(NTT出版・共著)など。