WirelessWire News Technology to implement the future

by Category

「日本ではまず収益化よりコミュニティ形成に注力」Pinterestが説明会を開催

2014.04.08

Updated by Asako Itagaki on April 8, 2014, 08:52 am JST

画像共有SNS「Pinterest」の日本法人ピンタレスト・ジャパンは、4月7日、米国法人CEOベン・シルバーマン氏来日に伴う記者説明会を開催した。また、同日よりコンデナスト・ジャパンの「VOGUE JAPAN」がPinterest上に公式アカウントを開設することを発表した。VOGUE JAPAN公式アカウントは、誌面で展開するFashion Stories アーカイブや、地図連動のTokyo Restaurant Guideに加え、VOGUE JAPAN 15周年に関するコンテンツも展開する。

201404080900-3.jpg

また、VOGUE JAPANとConde Nast Studioが協力提供するChloeのイベント「Chloe FEATURING MAISON DE REEFUR」で展開するデジタルソリューション「Chloe Mirror」のプラットフォームとしてPinterestを活用する。イベントは新宿伊勢丹で4月16日から22日まで。

Pinterestは「発見と実現」をうながすプラットフォーム

201404080900-1.jpg事業説明会では、ベン・シルバーマンCEO(写真右)がPinterestの事業コンセプト「発見と実現」について説明。Pinterestには数百万人が集めた画像のコレクションがオンライン上にあり、ユーザーは自分自身の関心と強い関連がある物のコレクションとつながることができる。FacebookやInstergramなどのSNSは情報を共有するものだが、PinterestはWeb上のコンテンツを使って同じような関心を持った人同士をつなぎ、新たな発見をうながすコミュニティであることを強調した。

現在、Pinterestは31か国でローカライズ版サービスを展開しており、日本では2013年10月に日本法人を設立、11月から日本語でのサービスを開始している。日本市場については「ビジュアルディスカバリーの重要さを理解する国はそう多くないが、その一つが日本である」として、日本市場への期待を表明した。

201404080900-2.jpgピンタレスト・ジャパンの定国直樹CEOは、日本でPinterestを活用するファッションブロガーや料理研究家などの実例を紹介。また、自分自身が家を新築した時、Pinterestを通して最適なバルコニーのデザインを実現した体験を交え「おそらくインターネットサーチでは発見できなかった、Pinterestを通して、そもそも自分達は何をしたかったのかが発見できたのは新しい体験だった」とその魅力を語った。

日本ではコミュニティ活性化に注力

2013年11月の日本語化サービス開始以来、日本のユーザーはそれまでの1.5倍に増えたとのこと。ピンタレスト・ジャパンは、ファッション、フード、トラベルなどの注力カテゴリーを設定し、ユーザーコミュニティの活性化を目指す。当日発表されたVOGUE JAPANとの提携は「ファッション」カテゴリー強化の一環となる。「ファッションだけでなく、ライフスタイル情報、トラベル、フードなども、VOGUEならではの切り口で楽しんでいただきたい」と定国氏は期待を寄せた。

また、5月からの開始を予定している農林水産省による食文化発信を目的としたオンラインキャンペーン「Oishii Japan」のプラットフォームにPinterestが採用されたことも紹介。楽天レシピとレシピブログがPinterestの「レシピピン」を利用してコンテンツを提供する。キャンペーンの詳細については決定次第アナウンスする。

米国では、企業がユーザーのピンボードに自社商品などの写真を表示する「Promoted Pin」による収益化が進められており、ユニリーバやWayfairなどの企業が参加しているが、日本では「当面は収益化を考えるよりも、コミュニティ活性化に注力する」(定国氏)としている。

【関連情報】
Pinterestと『VOGUE JAPAN』コラボレーションはじまる(Pinterest Japan Blog)
Pinterest の 「VOGUE JAPAN」

WirelessWire Weekly

おすすめ記事と編集部のお知らせをお送りします。(毎週月曜日配信)

登録はこちら

板垣 朝子(いたがき・あさこ)

WirelessWire News編集委員。独立系SIerにてシステムコンサルティングに従事した後、1995年から情報通信分野を中心にフリーで執筆活動を行う。2010年4月から2017年9月までWirelessWire News編集長。「人と組織と社会の関係を創造的に破壊し、再構築する」ヒト・モノ・コトをつなぐために、自身のメディアOrgannova (https://organnova.jp)を立ち上げる。