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[2014年第17週]KDDIはCAで150Mbps、ドコモも年度内に225Mbpsへ、ソフトバンクは夏モデル発表会を非開催

2014.04.30

Updated by Naohisa Iwamoto on April 30, 2014, 11:00 am UTC

大型連休を前にした1週間、モバイル関連では大きなニュースが流れてきた。1つはKDDIが夏モデル端末の発売に合わせて、下り最大150Mbpsの高速データ通信を実現する「キャリアアグリゲーション」(CA)のサービスを開始すること。LTE-Advancedの主要技術であるCAを商用化することで、国内でもLTE-Advanced時代が幕開けとなる。一方、NTTドコモは決算発表会で、年度内にLTE-Advancedによる下り最大225Mbpsのサービスを提供すると発表した。新世代のサービス競争が繰り広げられることになりそうだ。ソフトバンクモバイルは恒例の夏モデルの発表会を開かないことを明らかにし、大画面狭額縁のスマートフォン「AQUOS Xx 304SH」を発表した。

高速化競争が再燃? LTE-Advanced時代がスタート

KDDIは、LTEの次世代型通信方式であるLTE-Advancedの主要技術である「キャリアアグリゲーション」を使ったサービスを提供する。プラチナバンドの800MHz帯の10MHz帯域と2.1GHz帯の10MHz帯域を束ねて、下り最大150Mbpsの伝送速度を実現する。今後発表する2014年夏モデルのスマートフォンから対応を始めるという。KDDIでは、国内初のキャリアアグリゲーションの採用で、通信速度と通信品質の両面からユーザー体験を向上させる(関連記事:KDDI、「キャリアアグリゲーション」を国内初提供、夏モデルスマホから150Mbpsで)。

NTTドコモは、2014年3月期(2013年4月〜2014年3月)の決算を発表した。2013年度の決算は、営業収益はほぼ横ばいながら、販売計画の未達や春商戦の費用増加の影響が大きく営業減益となった。2014年度の取り組みについては、すでに発表済みの新料金プラン、今夏に開始予定のVoLTEに加え、2014年度内の4万基地局で100Mbps以上の対応達成と受信時最大225MbpsのLTE-Advancedの導入の計画を明らかにした(関連記事:ドコモ、14年度内に4万基地局を100Mbps以上へ、225Mbpsのサービスも開始)。

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一方、ソフトバンクモバイルは、5.2インチフルHDのIGZOを搭載したスマートフォン「AQUOS Xx 304SH」を開発し、5月下旬以降に発売すると発表した。5月1日から予約受付を開始。発売日前日までに予約して、6月8日までに購入したユーザーにGoogle Playで5000円分のコンテンツなどを購入できるコードをプレゼントするキャンペーンも実施する。

AQUOS Xx 304SHは3辺狭額縁のデザインを採用、側面には質感の高いアルミのメタルフレームによる高級感のあるデザインを採用した。省電力化を実現するPureLED搭載IGZO液晶ディスプレーにより、3日を超えて利用できるように省エネ性能を高めた。OSはAndroid 4.4、CPUは2.3GHzクアッドコア、バッテリーは2600mAh。メインカメラには、F1.9の明るいレンズと1310万画素の裏面照射型CMOSセンサーを採用した。360度のパノラマ撮影が可能な「全天球撮影」、逆光でもしっかりと撮影できる「リアルタイムHDR」を搭載する。おサイフケータイ、NFC、ワンセグ/フルセグ、赤外線通信、防水の各機能・性能を備える(報道発表資料:メタルフレームに5.2インチIGZO搭載のスマートフォン「AQUOS Xx 304SH」を開発

ソフトバンクモバイルは、2014年夏モデルに関して、恒例の大々的な発表会を開かないことを明らかにしている。夏モデルに相当する端末は準備ができ次第、発表していくとのことだ。

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Wi-Fi認証、絵文字、出前まで、より使いやすく!

サービス面での発表も多かった。NTTドコモは、海外のWi-Fiスポットでインターネットを利用できる「WORLD WING Wi-Fi」で、SIMカードの情報を用いたユーザー認証方式(SIM認証)を提供すると発表した。SIM認証に対応することにより、アプリ設定やID/パスワードの入力などの設定が不要になりWi-Fiに短時間で接続できるようになる。4月28日から韓国、香港、台湾で対応を開始、順次対応エリアを拡大する。SIM認証対応機種は、4月28日の開始時点では「iPhone 5s」「iPhone 5c」の2機種。今後、ドコモのAndroid端末の一部でも利用できるようになる予定だ(関連記事:ドコモ、海外のWi-Fiローミングで設定不要で使えるSIM認証を提供開始)。

NTTドコモ、KDDI、沖縄セルラー電話、ソフトバンクモバイル、イー・アクセス、ウィルコムの携帯電話、PHS事業者6社は、事業者間のキャリアメールやSMSでやり取りされる、絵文字の数と種類を共通化すると発表した。2014年5月移行に順次実施する。他社の携帯電話、PHSにメールやSMSを送信したとき、送信側の意図と異なる絵文字が受信側で表示されたりすることがあり、改善の要望が利用者から多く出ていた(関連記事:携帯電話、PHSの6社、キャリアメールとSMSの絵文字の数と種類を共通化)。

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生活に密着したサービスへの新しい取り組みも始まる。NTTドコモは、「dマーケット」の新しいサービスとして出前・フード宅配サービス「dデリバリー」の提供を2014年5月1日に始める。スマートフォンから、宅配ピザや宅配寿司など約20ジャンル、全国の約9500の店舗のメニューを注文できるようになる。さらに「dデリバリー」だけで提供するクーポンを使って、おトクに購入することも可能。支払いは現金・クレジットカードのほか、ケータイ払いやドコモポイントでの支払いにも対応する。docomo IDがあれば、ドコモ以外のスマートフォンを利用していてもdデリバリーが使える(報道発表資料:出前・フード宅配サービス「dデリバリー」の提供を開始)。

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スマホが半数に、手軽にBeacon利用、ヤフオクとBOOKOFFが連携

この週の主だったトピックを紹介する。MM総研は、スマートフォン市場規模などを含む携帯電話契約数の予測を発表した。それによると、2014年3月末の携帯電話契約数は1億4000万件超、端末契約数に占めるスマートフォンの契約比率は47%に達した。2014年3月末のスマートフォンのOS別契約数は、Androidが3274万件(構成比57.1%)、iOSが2394万件(同41.8%)、その他が66万件(同1.2%)だった。MM総研は、2013年9月にNTTドコモがiPhoneを発売したことで、iPhoneのシェアが増加傾向にあると分析する(関連記事:国内のスマートフォン契約は2014年3月末に47%--MM総研

スマートフォン市場規模の推移・予測(2014年4月)
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アプリックスIPホールディングスが、Beacon分野で攻勢をかけている。O2Oや位置情報などの幅広いサービスの新しいソリューション「MyBeaconシリーズ」に2つの販売形態を追加した。1つは、電池交換不要で手軽に使えるスティック型のUSB給電対応Beaconを、1台から1800円(税込・送料込)で簡単に購入できるネット通販の開始。個人店舗や自宅でBeaconを利用できるようになる(関連記事:MyBeaconシリーズが1台からでも1,800円(税込・送料込)で購入可能なネット通販を開始)。

もう1つは、同じく電池交換不要でスティック型のUSB給電対応Beaconのスターターキット。スティック型のBeaconの10台をパッケージとして、1万5000円(税別・送料別)で発売する。大口の法人需要だけでなく、Beaconソリューションの小口の法人利用への道を開くものとして注目される(関連記事:USB給電対応Beaconのスターターキットを発売開始)。

ヤフーとブックオフコーポレーションは、資本・業務提携契約の締結を行ったことを発表した。この提携により、日本最大級の中古本販売チェーン「BOOKOFF」のチェーン全店で買い取ったモノを、日本最大級のインターネットオークションサイト「ヤフオク!」で販売する仕組みを構築する。現在40%程度にとどまっているリユース経験者を、将来的に100%にすることを目指すとしている(報道発表資料:Yahoo! JAPANとブックオフが資本・業務提携)。

昨年の第17週のできごと

・増収増益のKDDI、ソフトバンク、増収減益のドコモ
・KDDIではトラブル続き
・ドコモが「auスマートパス」対抗サービス

[2013年第17〜18週]2012年度の携帯3社の決算出そろう、KDDIで今度はLTEに通信トラブル

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。