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シンガポール:プリペイドSIMカードは3枚までに

2014.04.10

Updated by Hitoshi Sato on April 10, 2014, 11:28 am JST

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シンガポール政府は2014年3月31日、15歳以上の個人が購入および登録できるプリペイド(前払い)式SIMカード枚数を、これまでの10枚までから2014年4月1日以降は3枚までに引き下げることを発表した。プリペイドSIMカードが犯罪に利用されるのを防ぐのが目的。内務省と情報通信開発庁(IDA)が共同でリリースした。

シンガポールでは不正入手されたプリペイドSIMカードが、無免許での高利貸し、信用詐欺、麻薬や賭博などの不法行為に使われていた。所有可能枚数を制限することで、不法行為に使用されることを承知で売ることが困難になる。今回の規制は新たに購入するプリペイドSIMカードにのみ適用する。すなわち、既に3枚以上所持している人は、返却する必要などもなく引き続き所持が認められる。

現在のシンガポールの携帯電話加入者数は約840万で、携帯電話加入者普及率は152.4%と非常に高い。これは明らかに1人で複数枚のSIMカードを所有しているからである。

シンガポールには通信事業者は3社あるため、今回のプリペイドSIMカードの購入枚数規制が3枚までというのは、明らかに、各社1枚ずつ購入できるように設計したのであろう。現在でもシンガポール人の多くは各社のSIMカードを一通り所有している。

今回のプリペイドSIMカード発行枚数を10枚から3枚に減らすという制限によって、犯罪が本当に減少するのだろうか。たしかにプリペイドのSIMカードが犯罪に使われることは多いが、犯罪撲滅に向けてはもっと違う取組みもあるのではないだろうか。

▼シンガポールの通信事業者の加入者数、シェア、プリペイド比率とARPU。シンガポールではプリペイドでもARPUがかなり高いことがうかがえる。
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(公開情報を元に作成)

▼シンガポールのSIM販売店に掲げられた電話番号一覧。ユーザーは自分の希望する電話番号を選ぶ。人気ある数字は早く売れてしまう。
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シンガポールではプリペイドに再チャージしない場合、最後のチャージから6ヵ月後に効力が切れてしまう。

▼シンガポールの通信事業者StarhubのSIMカード販売店
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▼多民族国家シンガポールには多くのインド人が生活している。彼らはインドへの電話をかけることが多いので、キャリアも対応したプランを用意している。
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【参照情報】
Number of Prepaid Cards per Subscriber to be Reduced to Enhance Security(IDAのリリース)

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佐藤 仁(さとう・ひとし)

2010年12月より情報通信総合研究所にてグローバルガバナンスにおける情報通信の果たす役割や技術動向に関する調査・研究に従事している。情報通信技術の発展によって世界は大きく変わってきたが、それらはグローバルガバナンスの中でどのような位置付けにあるのか、そして国際秩序と日本社会にどのような影響を与えて、未来をどのように変えていくのかを研究している。修士(国際政治学)、修士(社会デザイン学)。近著では「情報通信アウトルック2014:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)、「情報通信アウトルック2013:ビッグデータが社会を変える」(NTT出版・共著)など。