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毎月15時間以上5年にわたっての携帯電話利用は「発がんリスクが2〜3倍」:フランスでの調査結果より

2014.06.12

Updated by Hitoshi Sato on June 12, 2014, 13:40 pm JST

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(cc) Image by jenny downing

携帯電話を毎月15時間以上5年にわたって利用するヘビーユーザーは、脳腫瘍リスクが高くなる可能性があるとの研究がフランスで発表された。フランス4県において2004年〜2006年にかけて調査が行われ、2014年5月9日にイギリスの「Occupational and Environmental Medecine」誌に発表された。

調査結果によると、5年間にわたって月平均15時間以上(累積で約900時間以上)携帯電話を利用したユーザーは、通常のユーザーに比べて神経膠腫(グリオーマ)および髄膜腫にかかるリスクが2倍から3倍となるとの結果が得られた。2004年〜2006年に診断された神経膠腫253件、髄膜腫194件について本人の申告に基づいて調査を行った。なお、携帯電話を使用しない人と平均的な携帯電話利用ユーザーの間には違いは認められなかった。

ただし、脳腫瘍にかかった人は過去の通話量を過大に申告する傾向があるなどの問題や、携帯電話による電磁波発生量が近年は大きく減少したといった変化もあり、携帯電話と脳腫瘍の関連性は完全には証明できないとのことである。

2011年にもWHOの外部組織である国際がん研究機関(IARC)が「携帯電話は発がん性を持っている」と発表したことがある。しかし実際には、日常生活での喫煙やその他の発ガン要因もあるので、確実に携帯電話の使用頻度が「発がん」と関係するのか実証することが困難だった。今回の調査も、今後の更なる精確性が求められるだろう。

月平均15時間の携帯電話利用ということは、1日にすると約30分である。気になる人は、長電話には気を付けた方がいいかもしれない。

【参照情報】
Intensive mobile phone users at higher risk of brain cancers, says study

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佐藤 仁(さとう・ひとし)

2010年12月より情報通信総合研究所にてグローバルガバナンスにおける情報通信の果たす役割や技術動向に関する調査・研究に従事している。情報通信技術の発展によって世界は大きく変わってきたが、それらはグローバルガバナンスの中でどのような位置付けにあるのか、そして国際秩序と日本社会にどのような影響を与えて、未来をどのように変えていくのかを研究している。修士(国際政治学)、修士(社会デザイン学)。近著では「情報通信アウトルック2014:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)、「情報通信アウトルック2013:ビッグデータが社会を変える」(NTT出版・共著)など。