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携帯端末への「キルスイッチ」義務付け、米加州で法案成立 - 濫用を懸念する声も

2014.08.28

Updated by WirelessWire News編集部 on August 28, 2014, 13:45 pm JST

カリフォルニア州で今年2月、すべてのモバイル端末に「kill switch」と呼ばれる盗難防止機能の搭載を義務付ける法案が議会に提出されていたが、この法案が米国時間25日に同州知事の署名を受け、正式に成立したという。

「kill switch」はモバイル端末が盗難にあった際に遠隔から使用不能にできる機能やソフトウェアのこと。「iPhone」をはじめとするスマートフォンの盗難・強盗が大きな社会問題となるなかで、行政側がその防止策として端末メーカー各社にこういった機能の搭載を求めてきていた。

新たな法案の成立で、カリフォルニア州では2015年7月以降に発売されるすべてのスマートフォンに「kill switch」のプリインストールが義務付けられることになった。同様の措置はすでにミネソタ州で導入されているが、カリフォルニア州では、同機能をデフォルト状態で有効にして販売することも義務付けられているという(ユーザー側でのちに無効にすることも可能)。なお、法案成立の過程でタブレットはこの対象から除かれたという。

「kill switch」については、すでにアップル(Apple)やサムスン(Samsung)などの大手メーカーが同様の機能を提供しており、グーグル(Google)やマイクロソフト(Microsoft)でも同様のソフトウェアの開発が進んでいるという。

ただし、同機能搭載の義務付けには様々な点から反対の声も上がっている。たとえば、米大手携帯通信事業者のAT&Tやベライゾンでは、同機能がハッカーによる攻撃などセキュリティ上のリスクになり得るとして反対。また、電子フロンティア財団(Electronic Frontier Foundation)でも、犯罪への悪用のほか、政府規制当局による濫用につながる可能性もあるとして反対の意志を示している。

なお、「kill switch」機能をめぐっては、米携帯通信業界団体CTIAが今年4月、各社端末へ同機能の搭載を促す新たな取り組みを発表。これには、米国の大手携帯通信事業者5社のほか、アップル、グーグル、HTC、ファーウェイ(Huawei)、モトローラ(Motorola)、マイクロソフト、ノキア(Nokia)、サムスンなどが参加を表明。これらの各社が2015年7月以降に発売するすべてのスマートフォンに、ユーザーデータを遠隔から削除するリモートワイプ機能や、盗難・紛失時の悪用を防ぐためのリモートロック機能などを含むツール類が無料で提供されることになるとされていた。

【参照情報】
California Smartphone 'Kill Switch' Bill to Become Law - WSJ
Mobile phone "kill switches" to be law in California, but critics worry about misuse - GigaOM
How Cops and Hackers Could Abuse California's New Phone Kill-Switch Law - WIRED

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