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汐留で始まった我が国の通信に想いを馳せる。

2014.08.25

Updated by Yoshiko Kano on August 25, 2014, 18:00 pm JST

8月1日から、新しい通信ブランドの赤い看板が、徐々に町の中に増えてきましたね。看板を見つける度に、無意識に汐留方面を仰ぎ見てしまう日々ですが、シンプルなロゴマークなのでことのほか目立つのか、わたしの目が勝手に追ってしまっているのかは、判断に悩むところです。

さて、話題の「新橋・汐留」地域には、広大な庭園が位置しておりますね。
ご存じ『浜離宮庭園』。

garden001.png

実はここ、日本の通信事始めを担う、重要な庭なのです。

時代はペリー来航当時。まだ日本には電信施設というものがなく、あのイタリア人たちからして(失礼)「電話も電車も無いとかまぢ信じられん・・・日本人とどんだけ連絡に時間がかかっても、俺たち西欧人はとにかく我慢だぉ・・・」と言われていたとかなんとか。

そして運命の安政二年八月四日(1855年9月14日)、時の将軍家定を始めとした政府首脳陣たちが浜離宮庭園に来訪、そこで初めて通信機器のデモンストレーションを見ることになります。ちゃんと日本人技術者が操作してのデモです。このときの機器はオランダ製。

モノだけあっても技術習得しないと使い物にならないのがITの定め。アメリカ製電信機器なども米人技術者のデモと共に贈答されていたそうなのですが、手順書も仕様書も無い状態で結局お蔵入りだった様子。オランダからは、その辺の引き継ぎを綿密にやってもらえたようですね。

「Hello world」の代わりに我々の祖先が送ったのは、
「ツルカメ」「コンニチブジ」などなど、
おめでたい言葉であったそうな。

・・・めでたしめでたし。

そろそろ涼しくなってくる気候ですね。
庭園のお茶やさんで、ゆっくりお抹茶などいただきながら、かつての技術者へ想いを馳せてみてはいかがでしょうか。

【関連サイト】
浜離宮恩賜庭園|公園へ行こう!
http://www.tokyo-park.or.jp/park/format/index028.html

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かのうよしこ

青山学院大学史学科、東京藝術大学声楽科、京都造形芸術大学ランドスケープデザインコースを卒業。京都造形芸術大学大学院芸術環境専攻(日本庭園分野)修士課程修了。通信キャリアにてカスタマサービス対応並びにコンテンツ企画等の業務に従事、音楽業界にてウェブメディア立ち上げやバックヤードシステム開発、コンサート制作会社での勤務を経て、現在はフリーのヴォーカリスト、ヴォイストレーナー、エディター、ライター。
http://kanoppi.jp

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