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[2014年第37週]今年もiPhone狂騒曲、8GBの大容量プランが続々、図書館もBeaconでご案内

2014.09.17

Updated by Naohisa Iwamoto on September 17, 2014, 14:30 pm UTC

毎年の恒例行事のようになった新型iPhoneの発表と、それからのキャリアの慌ただしい動き。今年はドコモが端末価格などを公表できないままに予約受付が始まった。結果的には、4.7インチ画面のiPhone 6の16GBモデルは、各キャリアともにMNPまたは新規契約の場合に実質負担額が0円で入手できることになった。新型iPhone発表に先立って、ドコモは新料金プランにデータ通信量の翌月繰り越しを追加したり、8GBのプランを新設したりする料金改定を行った。KDDIもドコモに合わせて8GBプランを値下げ。また日本通信は8GBまで利用できて月額3980円のSIMを発売するとアナウンスしている。

iPhoneの価格設定、競争がし烈に

まず、iPhone 6/iPhone 6 Plusの騒動から。アップルが米国で9月9日に発表したiPhone 6とiPhone 6 Plusは、国内では先代に引き続き3キャリアが取り扱うことになった。発売は9月19日。

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KDDIは9月12日に記者説明会を開催し、iPhone 6/iPhone 6 Plusの両機種で、キャリアアグリゲーションに対応したFDD-LTEと、TDD-LTE互換方式のWiMAX 2+に対応することを明らかにした。iPhone 6/iPhone 6 Plusの料金は、MNPおよび新規の場合はiPhone 6の16GBモデルが実質0円から。MNPで対象機種を購入したユーザーには1万円分のポイントをau WALLETにチャージする「auにかえる割 Plus」を実施する。一方、既存のiPhoneユーザーが機種変更などをしやすくするめに下取り対象機種にiPhone 5s/5cを追加するほか、iPhone 5、iPhone 4sの下取りポイントを5000円分から1万円分増額する優待策も講じる(関連記事:KDDI、iPhone 6/iPhone 6 PlusでCAとWiMAX 2+に対応、iPhone 6 16GBは実質0円から)。

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ソフトバンクモバイルも9月12日にiPhone 6/iPhone 6 Plusの価格を発表した。その後、端末の機種価格には変更を加えないものの、月月割の金額を調整することで、実質負担額をKDDIにそろえる改定を加えた。また、機種変更ユーザー向けに「タダで機種変更キャンペーン」を実施し、機種変更の場合に新規契約/MNPより割高になる実質負担額を0円からにすることで、機種変更を促す(関連記事:ソフトバンクのiPhone 6/iPhone 6 Plusも実質0円から、機種変更ユーザー向けのキャンペーンも[追記あり])。

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一方、NTTドコモは、予約受付を開始した9月12日には端末の価格を公表できなかった。公式に金額が発表されたのは9月14日のことで、価格がわからない商品を見込みで販売する状況が2日にわたって続いた。金額はKDDI、ソフトバンクと若干異なり、機種変更ユーザーに手厚いサポートをする形になっている。一方、他社のiPhoneの下取り金額を最大4万円超にまで増額するなど、MNPを促す施策も同時に行っている(関連記事:ドコモ、予約受付開始から2日後にようやくiPhone 6の金額を発表、下取り増額も各社がiPhone 6/ iPhone 6 Plusの予約受付を開始、ドコモは機種代金未定のまま受付スタート)。

アップル自身も、キャリアと同様に9月19日8時以降にアップルストアで両機種を発売する。SIMフリー版は、4.7インチのiPhone 6が、16GBで6万7800円、64GBで7万9800円、128GBで8万9800円。同じく5.5インチのiPhone 6 Plusが、16GBで7万9800円、64GBで8万9800円、128GBで9万9800円(関連記事:iPhone 6とiPhone 6 Plus、日本では3キャリアが9月19日に発売、SIMフリー版は6万7800円から)。

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ドコモもデータ量「繰り越し」に対応、低料金の8GB大容量プラン登場

料金面のニュースもあった。NTTドコモは、好評の新料金プラン「カケホーダイ&パケあえる」に、使わなかったデータ量を翌月に繰り越せる「パケットくりこし」、「追加購入データ量の利用期間延長」、1人向けの料金プランとして大容量の使用に対応する8GBの「データLパック」を追加すると発表した。データLパックは月額6700円で提供する(関連記事:ドコモ、新料金プランに「パケットくりこし」、8GBの「データLパック」などを追加)。

ドコモの動きにはKDDIが即座に追随した。ドコモが8GBの「データLパック」を新設し、月額6700円で提供することになったため、月額6800円で提供している「データ定額8(8GB)」を10月1日から月額6700円へと100円値下げする(報道発表資料:au新料金「カケホとデジラ」の「データ定額サービス」料金改定について)。

一方、日本通信は、新型iPhoneの発売に合わせて、月間8GBの大容量のLTE通信が利用できる低料金SIM「Platinum SIM」(プラチナシム)を発売する。格安SIMに多い1GB〜3GBといった少ない容量でなく、月間8GBの大容量通信が可能でありながら月額3980円で利用できる。音声通話機能も備える(報道発表資料:日本通信、ワールドクラスiPhoneユーザー向け「輝く」SIM、新発売)。

NTTドコモが5Gホワイトペーパー、情報漏洩事件も

NTTドコモは、次世代の移動通信方式である「5G」について、ドコモが考えるサービス展望、目標性能、技術コンセプトなどを解説したホワイトペーパーを、9月12日に公開した。ドコモでは5Gを、東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年のサービス開始を目指し、研究や標準化に向けた取り組みを進めている。ホワイトペーパーでは、これまでの提案内容を公開することで、ドコモの5G構想を広く伝えるとともに、今後の活発な議論につなげていきたい考え(関連記事:ドコモ、「5G」の目標性能や技術コンセプトを解説したホワイトペーパーを公開)。

一方、トラブルもあった。NTTドコモは、法人向けに提供している保守運用サービスの管理情報が流出した疑いがあると発表し、謝罪した。流出した疑いがあるのは、保守運用サービスを利用していた1社1053人分の社員の個人住所を含む管理情報だという。流出した疑いがある情報は、法人向けの保守運用サービス「法人モバイル管理サービス」の顧客情報で、個人宅住所も含まれていた(関連記事:ドコモ、法人の保守運用サービスから1000人超の顧客情報が流出)。

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NTTが新しい無線サービスに取り組むニュースもあった。NTTは、日本初となるスマートフォン向け実況解説付きマルチビュー映像配信「西武ドームにおけるスタジアム エンターテインメント サービス」を、9月14、15日に西武ドームで行なわれる西武ライオンズ 対 東北楽天の試合で実施した。NTTでは2013年から西武ドームにて、無料Wi-Fi接続サービス"Lions Wi-Fi"を提供しており、そこから、選手情報やリアルタイム対戦データ、クイズ、選手がヒットを打つとクリアできるビンゴゲームなどのエンタテインメントコンテンツを提供していた。今回は、それらに加えて新たに映像を使ったマルチビュー配信を行う(関連記事:NTTが西武ドームで日本初となるモバイル向け実況解説付きマルチビュー映像配信を実施)。

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ガスメーターにPHS端末、図書館にBeacon

「るるるコールM」サービスイメージ
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このほかのニュースを紹介する。ワイモバイルは、Aライン対応の通信機能付きガスメーター向けに超低消費電力PHSチップセットを実装した通信端末「Pa-NCU」を2014年10月より各ガス会社向けに販売すると発表した。「Pa-NCU」は、顧客家庭の電話回線を使わずにPHS回線で直接ガス会社の通信センターに接続できる。また、リチウム電池(2400mAh/3V)4本で10年以上駆動する長寿命も実現した。「Pa-NCU」は大阪ガスが10月1日にサービスを開始する新サービス「るるるコールM」で採用されたという(報道発表資料:通信機能付きガスメーター向け超低消費電力PHSチップセットを実装した通信端末の販売について)。

フリービットは、スマートフォン事業の「freebit mobile」でオリジナルスマホ「PandA」のアプリケーション群を大幅にアップデートする「PandA apps update "Fall 2014"」で新機能の提供を開始する。家族向け安心・安全サービス「PandAファミリー」及びシンプルさで大人気の「PandAホーム」に、ライフログやデジタルフォトフレームなどの機能を提供する。また、多彩な機能やサービスを実装するコアのテクノロジー群を「PandA CORE」として定義し、「PandA CORE」へのアクセスを公開。これによりアプリ開発者はPandA COREを活用したアプリを開発できるようになる(報道発表資料:"スマホを変えるスマホ"のfreebit mobile、PandAのアプリケーション群を大幅アップデート! PandA apps update "Fall 2014"を順次開始)。

Beaconソリューションを続々と提供しているアプリックスIPホールディングスが、新製品や新しい導入事例について発表している。新製品は、BeaconとNFCを組み合わせて決済システムと位置情報サービスの連携を可能にする「MyBeacon with NFC」。Beaconの位置情報とNFCによる決済を連携させることで、顧客の動向把握から売り場の商品案内、そして決済までを1つのシステムで提供できるようになる(報道発表資料:アプリックスIPホールディングス BeaconとNFCを組み合わせた「MyBeacon with NFC」を開発)。

導入事例がアナウンスされたのは、図書館のソリューション。図書館検索サイトを運営するカーリルのサービスと連携し、名古屋大学付属図書館中央図書館に「MyBeacon Pro MB004」を設置して実証実験を実施する。蔵書検索から書籍のある書架までのナビゲーションが実現できるほか、入退館時に館内案内や返却日などをアナウンスすることが可能になる(報道発表資料:アプリックスIPホールディングス AplixのBeacon が図書館の蔵書検索や書架ナビゲーションで採用)。

昨年の第37週のできごと

・新型iPhoneの動き
・スマートフォンの裾野、若者、シニア、法人へ
・LTEの国際ローミング、SDNの動向

[2013年第37週]新型iPhone狂騒曲、スマホ老若に広がる、LTEは海外でも

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。