Jolt社(ミズーリ州セントルイス)が開発している長さ3.5センチ、厚み1.1センチほどのクリップ型のセンサーは、スポーツ中の脳震とうなどを察知するためのウェアラブル・ガジェットで、もとはMIT(マサチューセッツ工科大学)のラボにおける研究プロジェクトを母体にしているそうだ。
若いアスリートなどがヘルメットやゴーグル、野球帽、ヘッドバンドなどにクリップを取り付けてスポーツの練習や試合を行う。頭を強くうつなどすると、動きと衝撃を検出して、プレイヤー自身には振動で、コーチや親には無線のメッセージで通知する。開発者のBen Harvantine氏は自身が頭に怪我をした経験を持つという。
コーチが全選手の動きを目で追っているとしても、誰かが頭を強く打っても気が付かない可能性はある。アラートが届けば、練習を中断し、状況を把握することができることになる。
連動するスマホ用アプリには認知能力テストが実装されていて、すぐに病院に連れて行くべきか、その場で判断する材料を提供してくれる。実際に頭を強く打ってから自覚症状が出たり倒れてしまったりするまでにタイムラグがあるケースでは、Jolt Sensorのようにリアルタイムでモニタリングし、簡易診断が可能なシステムがあると、対応の手遅れを悔やむケースを減らすことができるに違いない。
Jolt SensorはKickstarterでの資金調達に(かろうじて)成功しており、価格は100ドル程度で2015年5月の出荷を目指している。
スポーツ選手にとって脳震とうは重要な問題で、8月末には選手と両親がFIFA(国際サッカー連盟)に対して集団訴訟を起こし、脳震とうに関するルールの変更を求めているし、アメリカのNFL(ナショナル・フットボール・リーグ)もマイクロソフトのSurfaceを活用して安全対策を進めている。
【参照情報】
・Jolt社のウェブサイト
・Kickstarterのページ
・Concussion Lawsuit Seeks to Force Rule Changes in Soccer
・Surfaceで安全対策するNFL
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