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ポケットサイズのドローン3種

2014.11.12

Updated by Kenji Nobukuni on November 12, 2014, 10:00 am JST

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スマートフォンと同じような長方形の胴体から、4基のプロペラを引き出すと、1回の充電で12分から16分近く飛び続けるカメラ搭載のドローンに「変身」するAnuraポケット・ドローンが、Kickstarterを通じた10万ドルの資金調達に成功した。プロペラを格納して持ち運べるので、旅行やレジャーで「空撮」する場合には非常に便利だ。価格は195ドルほどで2015年4月に配送予定だ。

Anuraというのは尾のない両生類(蛙など)のこと。飛ぶ姿は尻尾のない両生類が手足をいっぱいに拡げているように見えなくもない。プロペラが4基あるので屋外でも安定して飛ばせそうだ。プロペラを折りたためば、突起の少ない箱型になるので、収納にも持ち運びにも便利そうだ。プロペラが出たままの他のドローンをスーツケースに入れるとなると、おそらく本体をすっぽり入れられる別の容器に入れてからということになるだろうし、自転車で持ち運ぶ際にもプロペラや尾翼が邪魔になることは確実だ。Anuraはアウトドアでの利用をよく考えたデザインと言えそうだ。

Nixieも4基のプロペラで飛ぶが、ドローンではなく「フライング・ウェアラブル・カメラ」(空飛ぶウェアラブルなカメラ)と自称している。この「カメラ」は手首に身につけることができて(=ウェアラブル)で、拡げるとプロペラが出てきて空を飛び(=フライング)、リモコン操作で写真を撮影することができるのだ。スタンフォード大学の物理学研究者であるChristoph Kohstall氏が開発中で、インテルが実施した「メイク・イット・ウェアラブル」コンテスト参加作品となっている。つまり、エジソン・チップが使われているということだ。

腕時計のようの手首に巻きついた「カメラ」のボタンを押すと、バンドの部分が解けて拡がり、文字盤の部分に重ねて収納してあったプロペラが4基現れて回り出し、手首から空中に飛び上る。持ち運びに便利ということでは、Anuraの上を行くだろう。こちらはうまく行けば2015年に1,000ドル程度で市販されるかもしれない。

ドローンが世界の人々の「欲しい物リスト」に上がるのは、GoProなどのカメラを搭載して、空から風景やレジャーを楽しむ自分たちを写したいという人が多いからだが、カメラはいらないけどただリモコンで小さなヘリコプターを飛ばしたいという人も多いだろう。Swann社のXtreemアトム・クアッドコプターは40ドルの手のひらサイズの超ミニ・ドローンで、フル充電で約4分間、赤外線リモコンで100フィート(約30メートル)のレンジで操縦することができる。

超小型のドローンは、何かにぶつかっても相手に傷つけないような素材を使っていることが多いので、その点ではある程度、安心して遊べるのだが、飛行物体をリモコン操縦していると「ながらスマホ」以上に周囲に注意が向かなくなる可能性もがあるから、飛ばす場所は慎重に選びたい。

【参照情報】
AnuraのKickstarterのページ
Nixieのウェブサイト
アトム・クアッドコプターのウェブページ

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信國 謙司(のぶくに・けんじ)

NTT、東京めたりっく通信、チャットボイス、NECビッグローブなどでインターネット関連の事業開発に当たり、現在はモバイルヘルスケア関連サービスの事業化を準備中。 訳書:「Asterisk:テレフォニーの未来