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[2015年第3週]220Mbpsの高速モバイル始動、学割の季節が到来、心電図データをモバイルで伝送

2015.01.19

Updated by Naohisa Iwamoto on January 19, 2015, 11:30 am JST

UQコミュニケーションズが提供するWiMAXサービスが、一層の高速化を実現する。下り最大220Mbpsのサービスを2月から順次提供、対応端末と使い放題の新プランをアナウンスした。恒例の学割の季節が到来、ソフトバンクモバイルが「家族の学割」を開始した。NTTドコモは東京大学附属病院と共同開発した心電図データのモバイル伝送システムの販売を開始する。

2方式で220Mbpsを実現するUQコミュニケーションズ

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国内で最速となる下り最大220Mbpsのモバイル通信サービスが始まる。UQコミュニケーションズは、WiMAX 2+に220Mbpsの新サービスと2機種の対応端末を投入し、新しい料金プランを提供すると発表した。220Mbpsに対応するのはいずれもモバイルルーターで、「Speed Wi-Fi NEXT W01」(ファーウェイ製)、「同 WX01」(NECプラットフォームズ製)。W01は20MHz帯域を2つ束ねる「キャリアアグリゲーション」で、WX01は送受信4本ずつのアンテナを使う4×4 MIMOを利用して、それぞれ220Mbpsの通信速度を実現した。W01は、WiMAX 2+のほかau 4G LTEの通信機能も備える。また新プランの「UQ Flat ツープラス ギガ放題」は、月額4380円で高速なWiMAX 2+を含めて月間データ量の上限なしで利用できる(関連記事:UQ、220Mbps対応ルーターを2機種発表、WiMAX 2+を使い放題にできる「ギガ放題」を開始)。

また、UQコミュニケーションズは、ホームルーターの新製品も発表した。最大110MbpsのWiMAX 2+に対応したホームルーター「URoad-Home2+」(シンセイコーポレーション製)で、有線LAN2ポートと、無線LANで最大16台の機器の同時接続が可能。月額4380円の「UQ Flatツープラス ギガ放題」に加入すると、通信容量の制限なく、家庭内で複数の機器から高速なインターネットアクセスが可能になる(報道発表資料:WiMAX 2+対応ホームルーター「URoad-Home2+」の登場)。

KDDIも、最大220Mbpsの通信に対応したWiMAX 2+のモバイルルーターを発売する。UQコミュニケーションズが提供するW01と同等の「Speed Wi-Fi NEXT W01」で、キャリアアグリゲーションによって220Mbpsを実現する(報道発表資料:受信最大220Mbps!「WiMAX 2+ キャリアアグリゲーション」、「4G LTE」に対応した超快適モバイルルータ「Speed Wi-Fi NEXT W01」が登場)。

また、「WiMAX 2+」対応のモバイルルーターに向けた新料金プラン「WiMAX 2+ フラット for DATA EX」も提供する。月額4380円でWiMAX 2+の高速データ通信を容量制限なく使える(報道発表資料:「WiMAX 2+」対応のモバイルルータ向け新料金プラン「WiMAX 2+ フラット for DATA EX」の提供開始について)。

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毎月540円割引になるソフトバンクの学割、速度制限時もツイキャスOK

エンドユーザー向けのサービスの話題を紹介する。まず学割の話題から。ソフトバンクモバイルは、キャンペーン「家族の学割」を2015年1月17日に開始した。25歳以下の利用者とその家族が対象。に、月額料金の割引や定額で利用できるデータ通信量が追加となるキャンペーンします。「スマ放題」の場合は、26歳の誕生月まで毎月の月額料金が540円割り引かれる。併せて「データ定額パック」のデータ通信量に毎月1GBが追加される。「ホワイトプラン」の場合は、毎月の月額料金が最大2年間1080円割り引かれる。家族の学割の提供に伴い、従来「スマ放題」で25歳以下の利用者に提供していた割引サービス「U25ボーナス」の受付を終了した(報道発表資料:25歳以下のお客さまとご家族の月額料金が割引! )。

ライブ配信サービス「ツイキャス」(TwitCasting)を運営するモイは、ツイキャスに「規制回線モード」を導入した。規制回線モードを利用することにより、キャリアの通信速度制限がかかった状態でもライブ配信の動画を視聴できるようになる。

ツイキャス
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ツイキャスの規制回線モードでは、最低で40kbpsでも動画視聴が可能になるため、128kbpsなどに制限されたユーザーでもコンテンツを視聴できるという(関連記事:ツイキャス、128kbpsなどの速度制限があっても動画視聴が可能なモードを提供)。

NTTドコモの「dマーケット」の契約数が延べ1000万を突破した。これは、「dマガジン」「dヒッツ powered by レコチョク」「dビデオ powered by BeeTV」「dアニメストア」「dキッズ」の5つのサービスの契約数の合計で、2015年1月11日に合計1000万に達した。「dマーケット」は、2011年11月18日に「dビデオ」を提供開始して以来、提供するサービスの幅を広げてきた(報道発表資料:「dマーケット」の契約数が1,000万を突破)。

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心電図データ伝送システムの商用化

技術よりのニュースを紹介する。NTTドコモと東京大学医学部附属病院は、共同研究と実証試験を進めてきた「クラウドサーバー型モバイル12誘導心電図伝送システム」の有用性を明らかにできたと発表した。

利用イメージ
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これは、救急車内で記録した12誘導心電図を、モバイル端末からクラウドサーバーへアップロードし、循環器専門医師が遠隔から確認できるシステム。心筋梗塞患者のカテーテル治療により冠動脈血流を再開する(再灌流)までの時間短縮や、救命率の向上が見られた。ドコモは医療機器販売のメハーゲン、輸入業務を担当するメディカルテクニカと共同で、2015年1月20日からこのシステムの商用提供を開始する(報道発表資料:「クラウド型12誘導心電図伝送システム」をドコモより商用提供開始)。

KDDIは、au Firefox OSに関する技術情報サイトを開設した。「au Firefox OS 関連技術情報」のサイトでは、au Firefox OSに関するソースコードやソフトウエア、技術情報など、開発者向けの情報を提供する。2014年12月25日に発売したFirefox OSスマートフォン「Fx0」に搭載されているOSのソースコードを公開したほか、Fx0の筐体3Dデータも提供している(関連記事:KDDI、Firefox OSスマホ「Fx0」のOSソースコードを公開)。

HMD(ヘッドマウントディスプレイ)などと組み合わせて使うウエアラブルに新しいユーザーインタフェース。富士通研究所は、小型軽量な指輪型ウエアラブルデバイスを開発した。

指輪型ウェアラブルデバイス
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空中で指を使って文字を手書きすることで文字認識ができる機能や、NFCタグリーダー機能を備える。モーションセンサーの情報から空中で手書きする指先の運動成分を抽出し、その軌跡から文字を認識する。富士通研究所では、実際の現場での操作性などの検証を行った上で、2015年度中の実用化を目指す(関連記事:富士通研究所、空中で手書き文字入力もできる指輪型ウエアラブルデバイスを開発)。

昨年の第3週のできごと

・ドコモがTizen導入見送り、WiMAX 2+が名阪でも
・タブレットの活用の幅を広げるソリューション
・スマホで予定管理が過半数、iPhoneでも「Google Maps」が優勢

[2014年第3週]見送られたTizen導入、タブレットのソリューション続々、半数がスマホで予定管理

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。