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Beaconなど不要で屋内ナビゲーションを実現、ゼンリンデータコムとドコモが技術開発

2015.02.19

Updated by Naohisa Iwamoto on February 19, 2015, 19:09 pm JST

ゼンリンデータコムとNTTドコモは2015年2月19日、スマートフォンが搭載する加速度センサーなどのモーションセンサーを活用した新しい屋内ナビゲーション技術を開発したと発表した。GPS測位ができない環境でも、手軽に屋外と同様のナビゲーションを行える。2015年4月以降、ドコモが提供している「ドコモ地図ナビ powered by いつもNAVI」の機能拡充で提供を始める予定である。

GPSの電波が届かない屋内で正確なナビゲーションを行うためには、Wi-FiやBluetooth Low Energy(BLE)などを利用したBeaconをきめ細かく設置する必要がある。今回、新しく開発した技術はBeaconを設置、運用することなく屋内ナビケーションを実現するもの。

具体的には、スマートフォンが搭載する加速度センサー、地磁気センサー、ジャイロセンサー、気圧センサーなどのモーションセンサーから得た情報を複合的に解析することで、スマートフォン利用者の動きを検知する「歩行者自律航法」技術を使う。独自開発の解析プログラムにより、直進、旋回、階段の上昇下降といった歩行状態を検知できるようになった。さらに、自律航法で検知した歩行状態と地図情報をマッチングすることで、推定する現在位置を適正な位置に補正することで正確なナビゲーションを実現する。

GPSなどを使う屋外のナビゲーションとの連携や、建物内のフロア移動などにも対応する。気圧センサーの情報を活用し、階段やエスカレーター、エレベーターによる昇降を検知することで、自動的にフロアマップを現在位置の階数に切替えることも可能だ。

屋内ナビケーションを提供する予定の「ドコモ地図ナビ powered by いつもNAVI」は、月額300円のナビゲーションサービス。4月以降に屋内ナビケーションの提供が始まると、ナビゲーションのルートに屋内ルートが含まれる場合、屋内に移動したタイミングで屋内ナビケーションが自動的に始まる。提供エリアは発表時点で、地下鉄と駅構内を合わせて、全国で約320カ所である。

【報道発表資料】
新たな屋内ナビゲーション技術を開発

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。