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インドネシア、2017年までに携帯電話機の50%は国内生産へ

2015.02.10

Updated by Hitoshi Sato on February 10, 2015, 08:00 am UTC

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インドネシア政府は2016年から輸入携帯電話機・スマートフォンの全てに対して、いくつかの部品を国産品とすることを課して、同国産業の育成を図ろうとしている。さらに2017年までには年間携帯電話機需要の50%を国産品(国内生産)とすることを目標としており、インドネシアでの携帯電話、スマートフォン製造を拡大していく予定である。また同じく2017年までに、インドネシアの4G (LTE)対応スマートフォンでは国産部品を最低40%搭載するという計画もある。

もちろん多くの輸入業者やメーカーからの反対はあるが、インドネシア政府としてはこの計画を断固として推進する計画だ。新しい規制を遵守しない場合は、輸入ライセンスをはく奪される。インドネシアは人口2億5,000万人以上で、2017年までに1億台以上のスマートフォンが流通されると言われている巨大市場である。さらに若者が多く成長著しい市場である。そのことからインドネシア国外のメーカーも、今回のインドネシアの政府の方針は無視できない。現在インドネシアに輸出している国外のメーカーはこれからインドネシアでの工場設置やインドネシアでの生産移管が求められるようになる。

インドネシア統計局が2015年2月2日に発表した2014年12月のインドネシアの輸出額は、前年同月比で13.8%減少、3カ月連続の輸出額が減少となった。主要な輸出品である商品価格が大幅に下落したことが影響している。2014年の貿易赤字は18億8,000万ドルで、赤字額は前年の半分以下となった。但し赤字の縮小は、輸出が好調だったというよりも輸入が減少した面が大きい。世界的なコモディティ価格の下落と商品の輸入大国である中国の減速でインドネシアの輸出は3年連続で減少している。インドネシアが貿易赤字を縮小するためには、輸入を減少させかつ「自国で製造し輸出できる産業育成」が重要な課題となっている。

今回のインドネシア政府の方針で、インドネシアには多くの携帯電話・スマートフォン工場が設立されることが想定される。そして同時に現地での雇用創出にも貢献するだろう。現在の携帯電話・スマートフォンの「世界の工場」は中国である。将来はインドネシアが携帯電話・スマートフォンの「世界の工場」になるかもしれない。

【参考動画】
インドネシアに工場があるローカルブランド「axioo」の紹介動画
インドネシアの工場は現地の雇用にも大きく貢献している。

【参照情報】
Phone imports threatened by new measure
New smartphone regulation may boost smuggling

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佐藤 仁(さとう・ひとし)

2010年12月より情報通信総合研究所にてグローバルガバナンスにおける情報通信の果たす役割や技術動向に関する調査・研究に従事している。情報通信技術の発展によって世界は大きく変わってきたが、それらはグローバルガバナンスの中でどのような位置付けにあるのか、そして国際秩序と日本社会にどのような影響を与えて、未来をどのように変えていくのかを研究している。修士(国際政治学)、修士(社会デザイン学)。近著では「情報通信アウトルック2014:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)、「情報通信アウトルック2013:ビッグデータが社会を変える」(NTT出版・共著)など。