格安SIMなどの独自サービス型SIMは326万回線、市場構成比で1.8%に上昇--MM総研
MVNO monthly observation
2015.06.17
Updated by Naohisa Iwamoto on June 17, 2015, 18:24 pm JST
MVNO monthly observation
2015.06.17
Updated by Naohisa Iwamoto on June 17, 2015, 18:24 pm JST
MM総研は2015年6月17日、国内MVNO市場の2015年3月末時点の実績の調査結果を発表した。格安SIM、格安スマホなどを含む独立サービス型のSIMは、モバイルサービス市場全体に対する構成比で、2014年3月の1.1%から0.7ポイント上昇して1.8%になったという。
国内のMVNOサービスの総契約回線数は、3045万回線。2014年3月末には1480万回線であり、1年で2倍以上にMVNOの市場規模が拡大した。とは言うものの、ここでのMVNOは一般のユーザーの感覚で捉えるMVNOとは異なる。回線別で最も多いのは、WiMAXおよびAXGPのBWA(ブロードバンドワイヤレスアクセス)で、1892万回線(シェア62.1%)。3G/LTEの携帯電話は1135万回線でシェアは37.3%となった。2014年3月末時点では、携帯電話のシェアがBWAを上回っていたが、2015年3月末までに逆転した。MM総研によれば、ソフトバンクモバイルのスマートフォンなどに向けてAXGP回線を提供するWireless City Planning、KDDI(au)のスマートフォンが2014年から標準的に対応するようになったWiMAX/WiMAX 2+を提供するUQコミュニケーションズによるMVNOが伸びているという。
一般的にイメージする格安SIM、格安スマホなどの「独自サービス型SIM」を提供するMVNOは、BWAのMVNOに比べるとまだ規模が小さい。独自サービス型SIMの回線数は2015年3月末時点で326万回線だった。この数字でも、2014年3月末の173万回線からは88.4%と2倍近い増加を見せ、急速に利用回線の絶対数が増えていることがわかる。1億7670万回線というモバイル市場全体からすると、まだ1.8%と数字は小さいが、前年の1.1%からは着実に実績を伸ばしている。MM総研では、「サービス認知度の低さ」「端末調達ハードルの高さ」「購入チャネルの少なさ」「サポートの弱さ」といった阻害要因が改善されつつあり、今後の急速な普及が期待できると分析している。
独自サービス型SIMの事業者別シェアでは、1位がOCNモバイルONEを提供するNTTコミュニケーションズで73万8000回線、シェアは22.6%だった。2位以下は、IIJmioなどを提供するインターネットイニシアティブ(IIJ)が53万6000回線(16.4%)、BIGLOBE LTE/3Gなどを提供するビッグローブが23万3000回線(7.1%)、b-mobileなどを提供する日本通信が17万2000回線(5.3%)と続いた。上位4社で市場シェアの過半数を占める状況は、規模が拡大する中で2014年から変わっていない。
【報道発表資料】
・国内MVNO 市場規模の推移(2015 年3 月末)
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