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アマゾン、ドローン専用空域の設置などを想定 - NASAイベントで発表
Amazon to expand drones market
2015.07.29
Updated by WirelessWire News編集部 on July 29, 2015, 21:06 pm JST
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Amazon to expand drones market
2015.07.29
Updated by WirelessWire News編集部 on July 29, 2015, 21:06 pm JST
ドローン(無人機)の商用利用実現にむけて準備を進めるアマゾン(Amazon)が、米国時間28日に開かれたNASA主催の集まりで、実現の前提となる空間利用の枠組み案を発表。人間の操縦する飛行機が運航する地上高500フィート以上の空域の下に高さ100フィートの飛行禁止ゾーンを設けることや、衝突回避や相互通信など一定以上の機能を搭載するドローンだけが利用できる高速移動用ゾーンを2設けることなどを盛り込んだ内容になっているという。
アマゾンは近年ドローンを使った商品配送システムの実現に向けて技術開発を積極的に進めており、一昨年11月には「Prime Air」という同システムのデモ動画も公開していた。いっぽう一般向けのドローンの販売台数が増加するなか、米国ではたとえば山火事の様子を撮影しようとしたアマチュアユーザーのドローンが消防用ヘリコプターの飛行の妨げになるといった出来事が相次ぎ、社会問題となっていることも伝えられている。
WSJ記事によると、昨年世界全体で販売された一般向けドローンの販売台数は、中国DJIおよび仏パロット(Parrot)の製品だけでも300万台以上で、そのうち米国での販売台数は推定数十万台に上るという。
アマゾン幹部がNASAの「UTM Convention」で発表した構想の枠組みは、飛行場などの一帯ではドローン運用を全面禁止とした上で、そのほかのエリアでは地上高500フィート(152メートル)以下の空間を「No Fly Zone」「High-Speed Transit」「Low-Speed Localized Traffic」という3つのゾーンに区分するというもの。具体的には地上高400〜500フィートの「No Fly Zone」は飛行機との緩衝用とされ、また映像撮影などの運用する小型ドローンは低空(同200フィートまで)の「Low-Speed Localized Traffic」用ゾーンを利用することになる。さらにその中間に位置する「High-Speed Transit」用ゾーンは、衝突回避のための仕組み("Sense And Avoid"、SAAなどと称されるという)や、自動管制システムや他の機体との相互通信機能を搭載したドローンだけが利用できるとされているという。
(The Verge)
ドローンの管制については、基本的にコンピュータを使った自動化が有力とされているものの、たとえば各機体の運行ルートの決定方法については、ドローンがからの情報を参照しながら独自に決めるという方法をアマゾンが提案しているのに対し、NASAからは都市部などでは中枢管理システムが各機体にルートを割り当てるという方法が提案されているほか、河川の上空など共有ルートを航行するといった案も出されているとWSJは記している。
なお、The Vergeでは、アマゾンがこうした安全のための枠組みと平行として、「人口の少ないエリアに、アマチュアや研究者などが比較的自由にドローンを飛ばせる区域を設ける」ことも想定しているとする同社幹部の話も紹介している。
WSJによると、来月にはNASAが人口の少ないエリアでのドローン運用に関する案を発表する予定で、都市部でのドローン運用についても今後5年以内に実現させたいと考え。また実現に向けては米連邦航空局(FAA)以外に連邦議会からも支持を得る必要があるとしている。
【参照情報】
・Amazon Lays Out Plan for Drones to Navigate Skies - WSJ
・Amazon provides new details on its plan for a drone superhighway in the sky - The Verge
・Drone Control: Here’s How Amazon Thinks Drones Should Fit Into U.S. Airspace - IEEE Spectrum
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