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BlackBerry、インドネシアでは2008年から国産部品を使用:遠くて長い復活への道

2015.09.07

Updated by Hitoshi Sato on 9月 7, 2015, 18:11 pm JST

インドネシアでは4G(LTE)対応スマートフォンは国産部品使用率を2017年1月までには30%にするように設定している。国産部品を使用していない端末はインドネシアでの販売を認めない方針を固めている。

インドネシアのBlackBerryのチーフ・リーガル・オフィサーSteve Zipperstein氏は、同社がインドネシア政府の新政策に忠実に従うと表明した。BlackBerryではインドネシアで販売している端末は、2008年から既にインドネシア製部品を使用してきていると述べた。BlackBerryではバッテリーはバタムの工場で製造しており、ヘッドセットのイヤホンを西ジャワのCibuburの工場で製造している。またバリ島のデンパサールにはアプリの開発センターもあり、そこでは2011年からBlackBerry向けのアプリの開発を行っており、既にインドネシア人開発者によってBlackBerry10向けに5,000以上のアプリが開発されている。そしてインドネシア人の開発者1,500人がグローバルでのBlackBerryの10万以上のアプリのサポートをしている。

かつてインドネシア市場では「BlackBerryはスマートフォンの代名詞」だった

かつてインドネシアではBlackBerryが大人気だった。2011年くらいまではインドネシアでスマートフォンといえば、BlackBerryだった。だから2008年からBlackBerryがインドネシアの国産部品を使用して端末開発をしていたことは妥当である。

しかし、ジャカルタなどの大都市ではほとんどの人がスマートフォンを利用しているインドネシアでも、最近ではほとんどがAndroid OSを搭載した地場メーカーかサムスンなどのスマートフォンばかりである。iPhoneは高価すぎて購入できる層が限られているので人気はない。

インドネシアでのBlackBerry人気を牽引していたのは、同社が提供していたBBM(BlackBerry Messenger)だ。現在でもまだBBMは伸びているようだが、スマートフォンで利用できるメッセンジャーアプリがたくさん登場してきた。インドネシアではLINE、WeChat、WhatsAppなどが大人気で、それらはAndroid OS搭載のどの端末でも利用できる。

BlackBerryにとってのプライオリティはかつてのように、インドネシア市場でのシェアの回復である。だが、地場メーカーや中国メーカーなどの「低価格だけど、それなりの品質のスマートフォン」が大量に流通しているインドネシアにおいて、「かつてインドネシア市場でのスマートフォンの代名詞であるBlackBerry」は、高くてビジネスマンが利用する端末のイメージが強い。若者たちから見るとBlackBerryは「Boss(ボス)やおじさんの使う端末」のイメージがある。BlackBerryがインドネシアのスマートフォン市場で復活する道は決して平坦ではない。

 

【参照情報】
BlackBerry Not Worried About Indonesia’s Component Ruling
BlackBerry BBM Growing Strong, Hits Record Growth In July

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佐藤 仁(さとう・ひとし)

2010年12月より情報通信総合研究所にてグローバルガバナンスにおける情報通信の果たす役割や技術動向に関する調査・研究に従事している。情報通信技術の発展によって世界は大きく変わってきたが、それらはグローバルガバナンスの中でどのような位置付けにあるのか、そして国際秩序と日本社会にどのような影響を与えて、未来をどのように変えていくのかを研究している。修士(国際政治学)、修士(社会デザイン学)。近著では「情報通信アウトルック2014:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)、「情報通信アウトルック2013:ビッグデータが社会を変える」(NTT出版・共著)など。

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