original image: Dylan Walters(CC BY)
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携帯普及率が70%超のルワンダで、その利用状況(通話やテキストメッセージの場所や頻度)と利用者の経済状態の関係の分析が行われた。これにより、現在の利用状況から、ユーザがどういった経済状態にあるか、例えば、下位25%の貧困層に属しているかどうかが分かるという。
途上国ではいわゆる国勢調査に十分なリソースを投じることができず、統計の不備から必要な施策を効果的に打つことが難しくなっている。匿名化したモバイルの利用状況から所有者の経済状態をあぶり出すことができれば、モバイルのビッグデータは政策担当者にも有力なツールたり得る。
例えば、通信する時間が9時から5時に固まっている人と、そうでない人を比較すると、日勤帯の仕事時間の通信の多い人の方が経済状態よく、プリペイドで高額のサービスを買う人の方が当然ながら定額サービスを買う人よりも経済状態がよいそうだ。利用状況から、例えば冷蔵庫やテレビを所有しているかどうかも高精度で「言い当てる」ことができたそうだ。
こうした分析は、アンケート調査や聞き取り調査による国勢調査などよりも確かに簡易であるが、不要な製品・サービスの売り込みなど、用途によっては携帯ユーザに不利益をもたらす可能性も否定できない。データの扱いには注意しても注意し過ぎということはないだろう。
【参照情報】
・PREDICTING POVERTY AND WEALTH FROM MOBILE PHONE METADATA
・Mobile phone data 'predicts' wealth and poverty in Rwanda
・Mobile Phone Data Predicts Poverty in Rwanda
・What mobile phone data can reveal about you, in Rwanda or right here at home
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登録はこちらNTT、東京めたりっく通信、チャットボイス、NECビッグローブなどでインターネット関連の事業開発に当たり、現在はモバイルヘルスケア関連サービスの事業化を準備中。 訳書:「Asterisk:テレフォニーの未来」