震災犠牲者の行動を可視化したデジタル・アーカイブ「忘れない」公開

2016.03.09

Updated by Asako Itagaki on 3月 9, 2016, 09:01 am JST

首都大学東京 渡邉英徳研究室と岩手日報社は共同で、岩手県における東日本大震災犠牲者の「地震発生時」から「津波襲来時」までの避難行動をまとめたデジタル・アーカイブ「忘れない~震災犠牲者の行動記録」を制作した。

遺族への取材で地震発生時と津波襲来時の居場所が詳細に判明した1326名の犠牲者について、被災地の震災直後の立体的な航空写真・地図と組み合わせることで避難行動を可視化している。遺族の了承を得た犠牲者687名については氏名と当時の行動も閲覧できる。

岩手日報社は震災犠牲者一人一人を紙面で紹介するプロジェクト「忘れない」や、災害から命を守るための連載「てんでんこ未来へ」を展開している(岩手日報[特集]3.11東日本大震災)。震災から5年にあたる2016年3月に公開した本アーカイブは、その集大成として、犠牲者の避難行動を詳細に分析・可視化したものとなる。「犠牲者の声なき声を可視化し、震災の教訓として後世に残していくことを企図しています」(同アーカイブ「はじめに」より)としている。

制作にあたっては渡邉英徳研究室が「ヒロシマ・アーカイブ」等で培ってきた「多元的デジタルアーカイブズ」の技術を応用した。オープンソース・ソフトウェアを活用し、PCとスマートフォン・タブレットからも閲覧することができる。

▼デジタル・アーカイブ「忘れない」デモムービーより

それぞれの犠牲者が何を考え、どのような事情で逃げ遅れたのかがむき出しに目の前に差し出されることで、失われた命の重さと共に、小さな判断が生死を分けたということを強く感じさせられるコンテンツとなっている。

震災犠牲者の行動記録マップ「忘れない」

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板垣 朝子(いたがき・あさこ)

WirelessWire News編集長。独立系SIerにてシステムコンサルティングに従事した後、1995年から情報通信分野を中心にフリーで執筆活動を行う。2013年春、長年住んだ中目黒を離れて、世界一高い電波塔の近所で下町生活を満喫中。

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