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LINE、タイの電子決済用スマートカード「Rabbit」と提携して「Rabbit LINE Pay」展開

2016.05.31

Updated by Hitoshi Sato on 5月 31, 2016, 10:59 am JST

LINEは2016年4月1日、タイでモバイル送金・決済サービス「LINE Pay」を展開する連結子会社のLINE Biz Plus Limitedを通じて、BTS Group Holdings Plc 傘下でタイの公共交通システムおよびオフライン店舗の電子決済用スマートカード「Rabbit」を提供するBSS Holdings Co., Ltdとの資本提携に合意したことを発表した。「LINE Pay」のサービス名称をタイ国内のみでは「Rabbit LINE Pay」に変更し、タイNo.1の統合型オフライン・オンライン決済プラットフォーム構築を目指していくことを明らかにした。

「Rabbit」はバンコクでもお馴染みだ。BTS鉄道の乗客はほとんどが利用している。また小売店舗でも利用できる。LINEのリリースによると、バンコク都市圏を中心に4,000台以上のカード読み取り機があり、500万人以上が乗車券の購入やRabbit加盟店での買い物に利用している。そしてRabbitは、月間2,000万人のBTS SkyTrain乗降客に支えられており、利用者数は今後も増加する見込みだそうだ。日本でJRが提供している「Suica」のようなものだとイメージしてもらうとわかりやすいだろう。実際にバンコクにいるとRabbitは便利だ。

タイ国内のLINE Payは、LINEがLINE Biz Plus Limitedを通じて提供する決済プラットフォームで、早くて、簡単、便利なモバイル決済プラットフォームである。2016年2月にタイで行った「Hong Bao」キャンペーンでは、わずか一週間で800万件以上の取引を達成するなど、初期段階から順調に成長している。サービス開始から一年足らずで登録ユーザー数が150万人以上、全国の加盟店は300店以上へと拡大したそうだ。両社は2016年第3四半期に試験運用を開始し主要加盟店にてRabbit LINE Payが利用可能となり、2016年第4四半期にはバンコク地区にて本格展開を行うことを予定している。

最近、Facebookメッセンジャー利用者が増加してきたタイ

日本ではメッセージアプリといえばLINEであるが、LINEは全世界で2億人以上のアクティブユーザー数がいる。そして日本以外でLINEの人気があるのは、台湾、タイ、インドネシアだ。だが、最近ではFacebook傘下のメッセンジャーが世界規模で拡大しており、メッセンジャーの利用者は全世界で10億人以上いる。Facebook自体は全世界で玄関16億人以上が利用しているSNSだ。その影響か、タイでも以前はLINEを利用していたタイ人らもメッセンジャーを利用(切り替える)する人が増加している。

メッセージアプリはどのアプリであれ、通話やメッセージ、写真のやり取りだから、どれでもほとんど差がない。タイでLINEはスタンプとそのキャラクターで人気があったが、最近ではメッセンジャーでもスタンプ(スティッカー)が豊富に、かつ無料で提供している。たしかに2年くらい前まではタイの町や大学などで、LINEのキャラクターの広告やビルボードなどをよく見かけたが、最近ではお目にかからなくなった。またFacebookのメッセンジャーの方がPCで利用する時にも便利で使いやすいという人も多い。

メッセージアプリ自体、無料だから、スタンプ販売以外はそれほど収益に大きな貢献はしないだろう。だが、メッセージは毎日友人や家族らとのコミュニケーションで利用するだろうから、その存在感は大きいもので生活のインフラの一部になっている。バンコクではほとんど人がスマホを利用しており、駅でも町でも多くの人が「歩きスマホ」をしており、彼らのほとんどがメッセージやらゲームをしている。

Rabbitはバンコクの人々の生活の一部であり、決済インフラにもなっている。今回LINEと提携することによって、メッセージアプリ以外にも決済でも「Rabbit LINE Pay」がタイ人の生活インフラになることが楽しみだ。そしてという決済インフラだけでなく、LINEにはメッセージアプリでも再びタイで頂点に立ってもらいたいものだ。

(BTS駅の窓口でも購入可能)
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(BTS駅構内にあるRabbit Kiosk)
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(Rabbitでのキャンペーン)
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(Rabbitでのキャンペーン)
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(Rabbitでのキャンペーン)
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【参考動画】

【参照情報】
【コーポレート】タイで、オフライン決済の最大手「Rabbit」と「LINE Pay」の両運営会社が資本提携、 新サービス名称「Rabbit LINE Pay」展開

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佐藤 仁(さとう・ひとし)

2010年12月より情報通信総合研究所にてグローバルガバナンスにおける情報通信の果たす役割や技術動向に関する調査・研究に従事している。情報通信技術の発展によって世界は大きく変わってきたが、それらはグローバルガバナンスの中でどのような位置付けにあるのか、そして国際秩序と日本社会にどのような影響を与えて、未来をどのように変えていくのかを研究している。修士(国際政治学)、修士(社会デザイン学)。近著では「情報通信アウトルック2014:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)、「情報通信アウトルック2013:ビッグデータが社会を変える」(NTT出版・共著)など。

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