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アルファベット(Alphabet)は米国時間3日、同社傘下のネストラボ(Nest Labs:以下、ネスト)創業者であるトニー・ファデル(Tony Fadell)氏のCEO退任を発表した。ファデル氏は今後、アルファベットおよび同社のラリー・ペイジ(Larry Page)CEOのアドバイザーを務めることになるという。

ファデル氏はアップル(Apple)在籍時に「iPod」や「iPhone」などの開発に携わった後、2010年にアップルのエンジニアであったマット・ロジャース(Matt Rogers)氏とネストを創業。同社はスマートサーモスタットがヒット商品となった後、煙感知器などの新製品をリリースし、さらに2014年には家庭用監視カメラシステムを提供するドロップカム(Dropcam)を買収。ファデル氏はネストが2014年にグーグルに32億ドルで買収された後も、傘下の独立部門としてネストの経営を行っていた。

なお、ファデル氏の後任には、モトローラ・モビリティ(Motorola Mobility)の元幹部でスマートホーム関連のモトローラ・ホーム(Motorola Home)でCEOを務めていたマーワン・ファワス(Marwan Fawaz)氏が就任するという。

ネストは一時期スマートホーム分野の先駆け的存在として大きな注目と期待を集めていたが、ここ年2近く新製品や大型アップグレードをリリースしていない。この話題に触れたBloombergでは、製品開発の遅れや製品販売の伸び悩みなどを受け、ファデル氏の経営体制に対する不満の声がネスト社内で上がっていたなどと指摘。また、NYTimesでは、ドロップカム元CEOのグレッグ・ダフィー(Greg Duffy)氏が社内でファデル氏と衝突し、その後グーグルの別のポストに移動するなど、同社社内での不協和音が生じていたことに言及している。

【参照情報】
Tony Fadell Steps Down Amid Tumult at Nest, a Google Acquisition - NYTimes
Nest Founder Tony Fadell Leaving Company - WSJ
Nest Chief Fadell Out After Tumultuous Two Years at Google - Bloomberg

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