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エーザイとMAMORIO、認知症の方の外出を支援するIoTツールの開発で提携

2016.08.02

Updated by Naohisa Iwamoto on August 2, 2016, 06:36 am JST

エーザイとMAMORIOは2016年8月1日、認知症の方を対象としたお出かけ支援ツール「Me-MAMORIO」の開発について提携したと発表した。行政や医療従事者、介護関係者などの協力を得て、「Me-MAMORIO」の実用化に向けた実証実験と開発を行う。

Me-MAMORIOは、Bluetoothによる通信を活用した小型タグで、スマートフォンとの間で近距離通信を行うことで認知症の方の位置情報を把握する。具体的には、Me-MAMORIOを身につけた認知症の方が、Me-MAMORIOに対応するアプリをインストールしたスマートフォンを持った地域住民に近づくことで、自動的に位置情報をサーバーに送信するという仕組みだ。支援活動に参加する地域住民には、認知症の方と近づいたことは知らされない。位置情報は介護関係者や家族に自動的に通知され、認知症の方の外出時の安全・安心を確保する。

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Me-MAMORIOは、GPS端末よりも小型軽量であることが特徴で、認知症の方でも携帯しやすい。両社は実証実験を通じて、認知症の方が、自分らしさを保った上で、住み慣れたまちを自由に安全・安心に外出できるようにすることを目指すという。

エーザイは、アルツハイマー型認知症・レビー小体型認知症治療薬の開発、販売から得た経験を活かして、認知症になっても安心して暮らせる「まちづくり」に取り組んできた。認知症に関する蓄積したアセットをMe-MAMORIOの実証実験と開発に生かす。MAMORIOは、紛失防止IoTタグ「MAMORIO」プラットフォームを運営するスタートアップ企業で、Me-MAMORIOの実証実験と開発にはそのアセットを生かすとする。

【報道発表資料】
エーザイとMAMORIO社が認知症の方のお出かけ支援ツール「Me-MAMORIO」で開発提携

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。