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夏

[2016年第35週]開業医向け小型検査機器のIoT化、固定IPのMVNOサービス、iPhoneにFeliCa?

2016.08.30

Updated by Naohisa Iwamoto on August 30, 2016, 12:04 pm JST

お盆休み明け、多方面のニュースが飛び込んできた。IoT関連では、開業医などの小規模の医療現場で利用する検査機器のIoT化のニュース、電球を使った見守りの実証実験などが興味深い。MVNOでは、固定IPサービスやNTTドコモとKDDIのマルチキャリアサービスへの取り組みがアナウンスされている。

医療現場から生活の場まで進展するIoT

まず、IoTの話題から。堀場製作所は、医療用機器向けの総合保守サービス支援システム「HORIBA MEDISIDE LINKAGE」の提供を発表した。開業医やクリニックなどでの利用を想定した小型自動血球計数CRP(C反応性たんぱく)測定装置「Microsemi LC-767CRP」の保守を行うIoTシステムで、機器の稼働状況をネットワーク、クラウドサーバーを経由して管理し、故障などによるダウンタイム削減を目指す。Microsemi LC-767CRPの国内販売を行なうフクダ電子が保守契約プログラムに組み込んで2016年10月に提供を開始する。堀場製作所では、新システムを利用した検査装置の稼働台数として2020年までに6000台を目標としている(関連記事:モバイル利用のIoTで医療用機器のダウンタイムを削減、堀場製作所がシステムを提供

「電球」という生活に密着したモノを使って、IoTの効果的な活用を目指す実証実験が始まる。スマートフォンサービスの開発を手がけるボクシーズ、インターネットサービスプロバイダやMVNO事業を提供するビッグローブ(以下、BIGLOBE)が、介護リフォームなどを手がけるユニバーサルベースの協力の下で実施する。

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実験は、ボクシーズが提供する見守りサービス「つながるライト」と、BIGLOBEが提供する法人向け評価用IoTデバイス「BL-01」を組み合わせて行う(関連記事:IoT電球を使って独居老人の見守りを実証、BIGLOBEなど3社が開始)。

提携のトピックもあった。ソニーモバイルコミュニケーションズ(ソニーモバイル)と東京電力エナジーパートナー(東京電力EP)は、スマートホーム分野でIoTを活用したサービスの開発と提供に向けて業務提携を行う。両社は、ソニーモバイルが持つ双方向コミュニケーションが可能な商品や通信技術、わかりやすいユーザーインタフェースのデザイン、サービスのソリューション構築といったノウハウと、東京電力EPが持つ顧客基盤やHEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)を含んだ電気使用に関する技術やノウハウを組み合わせて、2017年以降にIoTを活用したサービスの開発を目指す(関連記事:ソニーモバイルと東京電力EP、提携して2017年以降にIoTサービスを提供へ)。

固定IPやマルチキャリア化でサービス拡充するMVNO

キャリアの話題では、相変わらずMVNOからトピックが提供されている。ケイ・オプティコムは、携帯電話サービス「mineo」の法人契約で、固定IPメニューの提供を2016年9月1日に開始する。法人では機器監視やインターネットVPNなどの用途でのニーズが高く、固定IPアドレスを利用できるサービスが求められていた。固定IPメニューの提供により、クラウドなどの外部サーバーと双方向の通信がしやすくなるほか、端末のアクセス制御に利用してセキュリティを高めるといった用途が広がる(報道発表資料:「mineo(マイネオ)」法人契約 固定IPメニューの提供開始について)。

インターネットイニシアティブ(IIJ)は、個人向けモバイルサービスに、KDDIのau 4G LTE回線を利用した「IIJmio モバイルサービス タイプA」を追加し、2016年10月1日に提供を開始する。IIJはこれまで、個人向けモバイルサービスでは、これまでNTTドコモの回線を利用したサービスを提供してきた。KDDIの回線にも対応するマルチキャリア化で、利用者は端末やエリアに合わせて契約回線を選択できるようになる。また、同一プラン内で複数のSIMを利用する場合には、NTTドコモとKDDIの回線を混在させたり、双方のタイプの間で高速データ通信量をシェアしたりすることも可能だ(報道発表資料:IIJ、個人向けモバイルサービスにおいてマルチキャリアに対応し、auの4G LTE回線を利用した「IIJmioモバイルサービス タイプA」を提供開始)。

MNOでは、ソフトバンクがSoftBankブランドの新商品として、簡単操作のシニア向けスマートフォン「シンプルスマホ3」(シャープ製)を2016年9月上旬以降に発売すると発表した。約5インチの大画面IGZO液晶を搭載し、シンプルなホーム画面の採用や、画面の一部を拡大表示できる機能の搭載などにより、見やすさや使いやすさを追求した。省電力技術などによって、3日間を超えても利用可能で、「緊急ブザー」など安心の機能も用意する
(報道発表資料:SoftBank、初めてでも簡単に操作できるスマートフォン「シンプルスマホ3」を発売)。

iPhoneでもタッチ決済、街ナカのミッション実行でポイント

このほか、この週のトピックを見ていこう。アップルが日本向けに今後投入する「iPhone」に、ソニーの開発した非接触型ICカード技術フェリカ(FeliCa)用のチップを搭載する計画が進んでいると、Bloombergが米国時間26日に報じている。同社では「Suica」や「Pasmo」などの交通系ICカードに対応する改札やPOS端末で、iPhoneを使った決済を可能にしたい考えだという(関連記事:アップル、日本向けiPhoneの新機種にフェリカ用チップ搭載を計画(Bloomberg報道))。

KDDIは、利用者がゲーム感覚でアンケートに回答することで「WALLETポイント」をもらえるアプリ「auまちモニ」の提供を開始したと発表した。コロプラと提携し、同社のゲーム開発のノウハウを活かしてサービスを提供する。ゲームのように「ミッション」を配信することで、楽しみながら外出中や店頭でのリアルなユーザーの感想をその場でリサーチできる。リサーチに協力するユーザーには、ミッションに参加することで、ゲームのように楽しむだけでなく、「WALLETポイント」が付与される実利がある(関連記事:スマホ利用のリサーチを「ミッション」に仕立て、WALLETポイントが貯まる「auまちモニ」)。

人工知能を利用してWebサイトの分析などを行うサービス「AIアナリスト」を提供するWACUL(ワカル)は、ツイッターなどでの口コミの拡散を自動検知する新機能をAIアナリストに追加したと発表した。新機能の追加により、AIアナリストでツイッターなどの口コミ拡散を自動検知できるようになった。自社のサービスに関連する口コミや、プレスリリースの拡散などを、人手をかけることなく自動的に検知し、拡散の具合をすぐに把握できる(関連記事:ツイッターなどの口コミの拡散を人工知能で自動検知、WACULが「AIアナリスト」に新機能)。

最後に、サイクルシェアリングの話題。ローソンとドコモ、ドコモ・バイクシェアは、ローソン店舗におけるサイクルシェアリングサービスの提供に関する業務提携について合意した。

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提携の最初の取り組みとして、2016年8月23日に青森県内のローソン4店舗で旅行者向けのサイクルシェアリングサービスを開始した。復興庁が東北への外国人旅行者の誘客につながる取り組みを支援する「新しい東北」交流拡大モデル事業の一環だ。青森県内のローソン店舗から開始され、コンビニの特性を生かして24時間営業で提供される(ただし冬季期間(11月1日〜3月31日)は休止)(関連記事:ローソン店舗でドコモのサイクルシェアが利用可能に:まずは青森から、訪日外国人誘致や地方創生にも期待されているが……)。

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。