IoT時代の「エッジコンピューティング」はアナリティクス指向--IDC Japan

2016.09.05

Updated by Naohisa Iwamoto on 9月 5, 2016, 06:30 am JST

IDC Japanは2016年9月2日、国内のエッジコンピューティング市場の分析結果を発表した。IoT時代にエッジコンピューティングは再び重要性が注目され、その利用の方向性としてはアナリティクス指向が見られるという結果だ。

エッジコンピューティングは、クラウド内のサーバーなど中央でコンピューティング処理をするクラウドコンピューティングに対して、端末の近くでコンピューティング処理をすることを意味する。これまでにも、Webパフォーマンスの向上を目的として、CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)などで利用されてきた。IDC Japanでは、IoT時代にエッジコンピューティングが再び注目されているとして、国内ベンダーのエッジコンピューティングへの取り組みについて調査を行った。

調査の結果、IoTで利用されるエッジコンピューティングの特徴として、以下の3点が明らかになったという。1つは「アナリティクス志向」で、IoTデバイスが生み出した膨大なデータを、クラウドに集約することなく、IoTデバイスに近い場所でアナリティクス処理するために、エッジコンピューティングが利用されること。2つ目は、「システムの機能分散による全体最適化」で、エッジ、クラウド、IoTデバイスといったシステム全体にインテリジェンス機能を分散して連携させ、システム全体のコストや負荷の低減を図ること。3つ目は「異なるエッジ間で連携」で、エッジ間で直接データを流通させることで、企業や業界の壁を越えたデータを利活用する新しいプラットフォームを構築することである。

▼エッジの場所で分類したエッジコンピューティング(IDC Japanのニュースリリースより)20160905_idc001

一方、エッジコンピューティングはエッジが設置される場所により2つに分類できると指摘する。オンサイト型と広域ネットワーク内型の2つで、それぞれ適するユースケースが異なることや、クラウドコンピューティングと同様にパブリック/プライベート/業界(コミュニティ)型などに分類できることも明らかになった。こうした調査の結果から、IDC Japanでは、IoT時代のエッジコンピューティングについて、レスポンスのリアルタイム性を高めるための存在から、データを利活用するための基盤へと主軸が移り変わる可能性があると見ている。

【報道発表資料】
~IoTで再び注目~国内エッジコンピューティング市場分析結果を発表

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。

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