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在宅患者の服薬状況をIoTで管理、神戸大、DNPなどが実証試験

2017.01.12

Updated by Naohisa Iwamoto on 1月 12, 2017, 06:25 am JST

在宅医療による薬の治療で重要となるのが、服薬状況の正確な把握だ。患者の自己申告や訪問時の事後確認では、不確実な情報しか得られず、結果として不要な追加投薬や残薬が発生している可能性がある。こうした在宅医療の服薬状況管理の課題解決に、IoTを使って取り組む動きが神戸大学医学部附属病院などによって始まった。

IoTによる服薬管理の実証試験は、神戸大学医学部附属病院と、札幌市に本社をおいて調剤薬局のアインファーマシーズなどを傘下に持つアインホールディングス、大日本印刷(DNP)が共同で実施するもの。現在、在宅医療で使われている「お薬カレンダー」の形態をそのまま生かしながら、IoTの機能を組み合わせて服薬状況を正確に把握できるようにする「服薬管理カレンダー」を開発。プロトタイプが完成したことから、2017年1月~3月に北海道夕張市のアイン薬局夕張店で訪問薬剤管理指導を行っている10名の患者を対象に、実証試験を実施する。

▼服薬管理カレンダーのプロトタイプのイメージ(ニュースリリースより)20170111_dnp001

服薬管理カレンダーには、曜日ごとに朝・昼・夕食後・就寝前の4つのポケットがある。それぞれのポケットには1回で服用する薬が入った袋があり、全部で1週間分の薬が格納されている。服薬管理カレンダーの裏側には電子回路を印刷し、ポケットから薬の入った袋を取り出すことで、取り出したポケットの位置と日時が記録される。服薬管理カレンダーにNFC対応のスマートフォンなどをかざすことによって、カレンダーから情報を読み取り、画面上に服薬情報を表示できる。患者の生活行動を可視化し、医療従事者が診断や処方、指導に活かせるDNPが開発したシステム「DNPモニタリングシステム Your Manager」を活用して作られた。

3者は今回の実証試験から、検証結果を蓄積することで、より使いやすい服薬管理カレンダーの開発を行う。今後は服薬管理カレンダーの普及に向けた、製品化と販売、供給体制の整備を行う計画だという。

【報道発表資料】
普及しやすい「服薬管理カレンダー」の開発および同カレンダーを用いた在宅医療における薬物治療適正化に関する実証試験を開始

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。

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