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企業のIoT機器のセキュリティを機械学習技術で守る「ZingBox」、ソフトバンクが提供

2017.01.24

Updated by Naohisa Iwamoto on January 24, 2017, 06:25 am JST

IoTデバイスのセキュリティリスクが高まっている。IoTデバイスに感染して2016年に大規模なDDoS攻撃を引き起こした「Mirai」をはじめ、IoTデバイスの脆弱性を突いて攻撃の踏み台にするような事例が増大するリスクは高い。そうした中で、産業分野や工場などで企業が利用するIoT(インダストリアルIoT:IIoT)に向けたセキュリティソリューションの提供が国内で始まる。

提供が始まるのは、IoTデバイスの保護に特化したセキュリティ製品を提供する米ZingBoxの法人向けIoT特化型セキュリティソリューション「ZingBox」。ソフトバンク コマース&サービス(ソフトバンクC&S)がZingBoxと販売代理店契約を締結し、2月10日に取り扱いを開始する。ZingBoxは、企業で使われているIIoTデバイスとその通信の状況を可視化する機能を備える。機械学習(マシンラーニング)技術を用いることで、監視対象となるネットワーク内にあるIoTデバイスの棚卸しや分類、動作把握を自動的に行い、リアルタイムで異常検知やリスク管理が行えるようになる。

▼ZingBoxでデバイスの一覧表示をした画面(ソフトバンクC&Sのニュースリリースより)20170123_ZingBox001

具体的なZingBoxの機能は以下の通り。機械学習技術により、IoTデバイスの正常動作を自動的に識別、学習し、本来の動作とズレがあった場合に異常を特定する。ZingBoxは仮想化ソフトウエアの形態で提供され、IoTデバイスにエージェントなどを導入する必要がなく利用が開始できる。さらに任意のポリシーの作成や適用も可能で、他社製のファイアーウォールと連携して不正な通信をブロックすることもできる。

ソフトバンクC&Sでは、下記のようなIoTデバイスやシステムをソリューション提供の対象と見込んでいる。製造業の監視制御システム(PLC、SCADA)、医療/ヘルスケア分野の監視制御システム、各種医療機器(CTスキャン、生体情報モニター、輸液ポンプ)、一般企業のWeb会議システム、監視カメラ、プリンター、IP電話、シャドウデバイス、ビル、商業施設の監視カメラ、ビーコン、ビル管理システム(空調、照明、火災感知器など含む)、金融機関の監視カメラ、監視制御システム、ATM端末、重要インフラの監視・制御システム、交通制御システムなどである。

【報道発表資料】
IoT特化型セキュリティソリューション「ZingBox」を国内で初めて提供開始

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。