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リハビリから車両管理、米びつの状況まで、IoTの実証、実用が進展

2017.02.07

Updated by Naohisa Iwamoto on February 7, 2017, 06:25 am JST

2017年1月末から2月初頭の1週間、様々なIoTの実証や商用サービスの実施の話題がアナウンスされた。ウエア型センサーによるリハビリのモニタリング、LPWA(Low Power Wide Area)による除雪車管理、新興国の自動車管理へのIoTの活用、そして家庭の米びつの管理と、その適用範囲は幅広い。

着用するだけで心拍などの生体情報を取得できるウエア型生体センサー「hitoe」を使って、リハビリテーション(リハビリ)の効果向上を目指す試みが始まる。藤田学園藤田保健衛生大学と東レNTT、NTTドコモによる「リハビリ患者モニタリングシステム」の有効性を検証する共同実験で、2月7日に実験を開始する。藤田保健衛生大学病院リハビリテーションセンターで、外来患者・入院患者がリハビリ用hitoeウエアを着ることで、リハビリ中の心拍データ、活動データを取得。リハビリの状況を確認することで、効果の高いリハビリの立案などにつなげる。実証実験で有効性を確認した上で、東レ、NTT、ドコモは、リハビリ分野におけるhitoeを活用したサービスの提供を目指す(報道発表資料:着るだけのモニタリングシステム ウエアラブル生体センサhitoeを活用した医療機関(リハビリテーション分野)で初の実証実験)。

車両管理にIoTを活用する話題も相次いだ。1つは、除雪車の位置情報をLPWA利用のIoTで管理するというもの。KDDIとKDDI まとめてオフィス中部、大日コンサルタント、GISupplyが、2月上旬から岐阜県建設研究センターの協力のもとで、岐阜県下呂地域で除雪車の位置情報管理サービスの商用化に向けた実証実験を開始する。実証実験では、LPWAの1つである「LoRaWAN」に対応したGPS端末を除雪車に設置し、除雪車の位置情報を管理する。除雪車に設置したGPS端末の電力消費を抑制した上で、広いエリアで走行中の除雪車の位置や走行経路などを管理できるようにする(報道発表資料:「LoRaWAN (TM)」を活用した除雪車の位置情報管理による実証実験の開始について)。

新興国の車両普及の力になるようなIoTソリューションの運用を支援する動きも始まった。SBIソーシャルレンディグ(SBISL)が、モビリティIoTベンチャーのGlobal Mobility Service(GMS)の開発した車両遠隔制御IoTデバイス「MCCS(Mobility-Cloud Connecting System)」を活用したサービス提供のためのファンドを立ち上げたというもの。MCCSでは、車両の割賦購入者に対して購入代金が未払いになったような場合には車両を始動できないようにするといった遠隔制御が可能。SBISLでは、割賦債権の債権保全力を強化しながら、新興国における貧困・環境問題の解決をサポートすることをテーマとしたローンファンド「SBISLテレマティクスローンファンド1号」を作り、運用を開始した。ソーシャルレンディングの仕組みを使って投資から資金を募り、フィリピン共和国でMCCSを装着した三輪タクシー「トライシクル」の割賦販売事業者に対して融資を行う(報道発表資料:モビリティIoTベンチャーのGMSが開発した革新的なIoT端末「MCCS」を活用したローンファンド『SBISLテレマティクスローンファンド1号』運用開始のお知らせ)。

家庭のIoT化のトピックもあった。米ライフが、IoTを活用したお米の配送サービス「米ライフ」の先行予約サイトを公開したというもの。このサービスを利用することで、「米びつセンサー」を装着した米びつの中のお米がなくなる前に、スマートフォンアプリ「米ライフDash」に米が少なくなったことを通知し、精米したての米の発注がタイムリーにできるようになる(報道発表資料:IoTを活用した米びつセンターを"無料レンタル"精米仕立てのお米をタイムリーにお届けする米ライフ先行予約開始

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。