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北海道 帯広 農業 イメージ

KDDIがソラコムの子会社化などIoTで攻勢

2017.08.03

Updated by Naohisa Iwamoto on August 3, 2017, 06:25 am JST

KDDIがIoT分野に攻勢をかけている。8月1日には北海道・帯広でIoTを活用した農業効率化の実証実験の開始をアナウンス、翌8月2日にはIoT向けの通信プラットフォーム「SORACOM」を提供するソラコムの子会社化を発表した。

帯広の実証実験は、KDDIと中小企業基盤整備機構北海道本部(中小機構北海道)、シスコシステムズが取り組んでいる北海道エリアにおけるIoTを活用した中小企業の事業創出の第一号案件。帯広市の飯田農場内でIoTを活用した農業効率化の実証実験を実施する。実験では、LPWAの一種のLoRaWANを利用して通信を行い、屋外で作物を栽培する露地栽培に影響を与える外気温、湿度、土中の温度、含水率といったデータをリアルタイムで可視化する。属人的だった知識を、情報の可視化、データ化により形式知にすることで、将来の農業へのノウハウの伝承や後継者育成につなげる。

ソラコムの子会社化は、KDDIが8月末までにソラコムの株式を取得して連結子会社とするというもの。ソラコムは低料金でセキュアなIoT通信が可能な通信プラットフォーム「SORACOM」を提供している。SORACOMは2015年の国内のサービス開始後に海外でもサービスの展開を進め、120カ国・地域で約7000の顧客を抱える。KDDIとソラコムは、2016年12月に提供を開始したIoT向け回線サービス「KDDI IoTコネクト Air」の共同開発を行うなど、IoT分野で協力関係を深めており、今回の子会社化により国内だけでなくグローバルでもIoTプラットフォームの構築を推進していく。

KDDIは、直近では7月26日にLPWA(Low Power Wide Area)の通信方式でLTE規格に準拠したLTE-M、NB-IoTの2017年度の商用化を発表したばかり(関連記事:KDDIがLTE-Mの屋外実証実験を開始、2017年度にNB-IoTとともにセルラーLPWA商用化へ)。5Gにおける取り組みも推進しており、移動体の通信事業で重要なポジションを占めるとみられるIoT分野での布石を進める。

【報道発表資料】
帯広でIoTを活用した農業効率化の実証実験を開始
株式会社ソラコムの子会社化について

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。