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会話支援アプリ「Talkitt」は音声コントロールデバイスの弱点「聞き取れない」を補完する

2017.09.07

Updated by WirelessWire News編集部 on 9月 7, 2017, 10:11 am JST

心の中に、伝えたいことがあったとして、口や舌、顔や喉の筋肉が思うように動かず、出している音がくぐもったり、かすれたりして、伝えたい相手が怪訝な顔をして首を傾げたり、「もう一度言って下さい」と言ったりしたら、しかも、それがいつものことだったら、もどかしくて、悲しい気持ちになるだろう。脳卒中や脳性まひ、ダウン症、パーキンソン病などで、明瞭に話ができなくなってしまった人は、会話の相手に伝えたい内容がなかなか伝わらないというフラストレーションを抱えている。

Siri(アップル)、OK Google(グーグル)、Cortana(マイクロソフト)、Alexa(アマゾン)など消費者向けに音声認識による入力方法が一般化しつつあるが、こうした人たちには音声で情報検索をしたりスマート家電を操作することよりも、身近な人や、街で出会う人々との会話の方がまずは大切だ。話し相手の側にしても、何とか言葉を理解したいが、聞き取れないのはもどかしい。

イスラエルのスタートアップ、Voiceittが開発しているTalkittは、障害などの理由で発話が上手くいかない人を支援するためのアプリだ。アプリに対して、「喉が渇いた」とか「電気を消して」と言った文章を読み上げて、発話者の癖を学んでもらう。このトレーニングが終われば、アプリは発話者の言葉を、聞き取りやすい音声に変換したり、文字に変換してくれる。もちろん、音声コントロールのデバイスに変換後の音声を聞かせれば、スマート家電を操ることもできる。

現状はアルファー版の段階で、実用化までにはさらなる開発が必要のようだが、これまでのところ期待通りの性能を見せているようだ。アルゴリズムのブラッシュアップには、医療機関も協力している。

発話者の発する全ての文章を正確に聞き取りやすく変換することが難しかったとしても、「おはよう」「愛してる」「お腹が空いた」「ありがとう」といったよく使うフレーズであればかなりの高精度で変換できるはず。それだけでも発話に問題がある人にとっては大きな前進かも知れない。CEOの祖母が脳卒中を患って、はっきり話すことができなくなったことが創業のきっかけだそうだ。

超高齢社会に突入した日本でも、明瞭に言葉を発することができない人の数は今後増える一方だろう。音声コントロールの製品やサービスの増加も進むはずなので、Talkittのようなアプリの重要度も増していく。Voiceitt社は今年6月、イスラエル工科大学(テクニオン)のベンチャーキャピタル部門、Amit Technionなどから200万ドルの資金調達に成功している。

<参考情報>

Voiceitt lets people with speech impairments use voice-controlled technology
Voiceitt secures $2 mln from Cahn Capital, Dreamit Ventures, others
Voiceitt, the Israeli Startup That Speaks for Those Who Cannot
「過去を忘れては新しいイノベーションを起こせない」杉原千畝がイスラエルのスタートアップに与えた影響

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