画像はイメージです original image: © pressmaster - Fotolia.com
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イスラエル南部のベエルシェバにある「デジタル・イノベーション・センター(CDI)」にスタートアップによる高齢者向けの技術開発を促すことを目的とした「ヘルシー・エイジング・ラボ」が開設された。
医学の進歩や栄養状態の改善、健康に対する意識の向上などにより平均余命が伸びる中、社会制度、家具や家電製品などは主に健康な青年期から壮年期の消費者をターゲットとしているため、高齢者にとっては便利とは言えない状況となっている。
高齢者は、脚力の低下で移動が難しくなる、視力の低下で家電製品の操作が難しくなる、あるいは、腕の力が弱くなったり聴力が低下したりする。製品そのものも、今のままでは高齢者にとって使いづらいものが多いが、ロボットやIoT、センサーやカメラなどテクノロジーによって、高齢者の日々の暮らしを支援する新しいカテゴリーの製品が生まれてくる素地もある。市場は、イスラエル国内に限らず、世界的な規模であると考えられる。
同ラボは、高齢者の実際の生活のシミュレーションが可能なように、寝室、リビング、キッチンなどの屋内や家の周囲などを研究施設内に再現。スタートアップが開発中の技術をテストすることができるようになっている。
開発する製品やサービスを、健康、病気治療中、一人暮らし、友達や遠方の家族、といったさまざまな文脈で総合的に捉えることで、より使いやすい方に向かわせる。すでに映像通信機能つきのテレビ、高齢者の転倒を検知するセンサーなどのテストが行われている。高齢者が自分のこれまでの人生を振り返り、物語として子や孫などに伝えるデジタル・タイムライン・プラットフォームを開発している企業もある。
このラボは国家的事業であり、ここで住居という環境を模しながら開発された有望な技術は次に市町村、さらには国家というレベルでテストされることになるという。
【参照情報】
・Israel sets up first innovation lab to boost tech for elderly aid
・Senior citizens technology lab opens in Beersheva
・BEERSHEBA BECOMES HOME TO WORLD'S FIRST INNOVATION LAB FOR HEALTHY AGING
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