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IIJがフルMVNOで新サービス開始、IoTなどの多様な要求に対応へ

2018.03.16

Updated by Naohisa Iwamoto on 3月 16, 2018, 06:25 am JST

インターネットイニシアティブ(IIJ)がフルMVNOサービスを2018年3月15日から提供開始した。法人向けモバイルデータ通信サービスと、訪日外国人向けプリペイドSIMからサービスを開始する。

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フルMVNOは、「基地局以外の設備はMVNOがコントロールする」(IIJ MVNO本部長 矢吹重雄氏)ことで、設備をもつ移動体通信事業者(MNO)から独立した通信事業者となることができる。SIMを発行、製造したり、加入者管理をMNOと独立して行えたり、海外の事業者などと独自に接続できたりする。MNOのサービスの枠を超えた新しいサービスの提供の可能性が広がるわけだ。

こうした特性を活用して、IIJではフルMVNOサービスとして最初に法人向けの「IIJモバイルサービス/タイプI」の提供を始める。最大の特徴は、SIMの状態を「開通(アクティブ)」と「中断(サスペンド)」の状態に自由に設定できる「SIMライフサイクル管理」機能を備えること。IoTデバイスでの利用では、例えば農業IoTで田植え時期にはセンサー情報が必要だが、それ以外の季節は通信が不要といったケースがある。そうした場合に、SIMライフサイクル管理機能を使うことで、利用する期間だけ「開通」にして、通信が不要な期間は「中断」にしてコストを抑えるといった使い勝手を提供する。「中断」にすることで、不正な通信に使われるようなリスクも抑えられる。また、SIMを組み込んだIoTデバイスなどの商品を流通させる際に、販売前の在庫の時点では「中断」にしておき、販売後に実際の利用が始まるタイミングで「開通」にすることで在庫時の通信コストを抑えることもできる。

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SIM基本費用は、「開通」状態のアクティブ回線が月額200円、「中断」状態のサスペンド回線が月額30円。料金通信プランは、月間の高速データ通信量が一定量含まれる「定額」と、法人内の契約全体で一定量の高速データ通信をシェアする「パケットシェア」の2種類を用意する。定額プランは月間10GBの容量のプランが月額3200円から、パケットシェアプランは「パケットパックA」の場合に1GBあたり500円といった料金水準に設定した。定額プランには、上り方向の通信を制限しない「上り優先オプション」(月額2700円)を用意し、監視カメラの動画伝送など上り需要が高い用途に向ける。IIJとしては、下り需要が多いIIJmioなどのコンシューマ向けのサービスと、上り需要を受け入れるサービスとを組み合わせることで、ネットワークの多重効果による効率化を図る。

もう1つの新サービスは、訪日外国人向けのプリペイドSIMの「Japan Travel SIM」。フルMVNOを利用して1.5GBと3GBの2つのサービスを4月2日から提供する。いずれも30日間有効なプリペイドSIMで、市場価格は1.5GBが1850円前後、3GBが2800円前後となる。

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今後のフルMVNOを活用したサービスの提供ロードマップとしては、法人向けサービスでは2018年度上期に国際ローミングの対応と、IIJ IoTサービスの対応を実施、2018年度下期には機器埋め込みが可能なチップSIMの提供を開始する予定。個人向けサービスでは、2018年の夏前までにIIJmio/タイプI(仮称)のサービスを開始し、それと同様なタイミングでOEM向けのサービスの提供を初めたい考えだ。また、検討中のサービスとして、(1)海外キャリアと連携した訪日外国人向けサービスの拡張、(2)遠隔から書き換えが可能なeSIMの提供、(3)海外キャリアと直接接続し、ローミングよりも安価なサービスの提供、(4)フルMVNO SIMが搭載されたルーターなどのサービスモジュールの提供--を掲げた。

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【報道発表資料】
IIJ、フルMVNOとして法人向けモバイルデータ通信サービス 「IIJモバイルサービス/タイプI」を提供開始
IIJ、フルMVNOの訪日外国人向けプリペイド型SIM「Japan Travel SIM」1.5GBと3GBを提供開始

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。