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養鶏場 イメージ

鶏舎内の環境を見える化して養鶏をスマート化、IoT利用のシステムを今秋提供

2018.05.29

Updated by Naohisa Iwamoto on May 29, 2018, 06:25 am UTC

第一次産業を情報化して生産を効率化、向上させるツールとして、IoTの適用が進んでいる。そうした中で、養鶏のIoT化を実現するシステムを提供するという動きがある。

養鶏IoTの提供を進めているのは、農業向けIoTソリューション「e-kakashi」を手がけるソフトバンクグループのPSソリューションズなど3社。各社が持つ技術を基にして畜産向けIoTシステムを共同開発し、普及・拡大を目指す。その第一弾として、養鶏IoTシステムを2018年秋に提供する予定である。

養鶏IoT(スマート養鶏)サービスは、自然換気で管理可能な「開放鶏舎」に、各種のIoT機器を取り付けることで鶏舎内の環境情報を管理し、作業を自動化できるようにするもの。特徴的な機能としては、(1)IoTセンサーで鶏舎内の環境を見える化、(2)IoTモーターによる鶏舎カーテンの自動開閉、(3)モバイル飼養管理日誌の作成がある。

IoTセンサーは、「e-kakashi」で実績のあるものを使い、温度・湿度・二酸化炭素・酸素・アンモニアなどのデータをクラウドサーバーへ送信する。状況はスマートフォンなどから確認でき、鶏舎内の環境に急変があった場合にはアラートを上げる。鶏舎カーテンは、IoTモーターを取り付けるだけで遠隔から開閉制御ができるようになる。大規模な工事や初期費用が不要で導入できるという。飼育している鶏の体重や死んだ個体数などはモバイル機器から簡単に入力でき、飼養成績と作業者の行動履歴、さらにIoTセンサーで取得した環境情報といったデータの一括管理が可能になる。これらのデータはAIで分析し、経験と勘の養鶏からデータに基づいた知識体系の整理、eマニュアルの作成などにつなげる。

畜産向けIoTシステムの事業主体はPSソリューションズが担い、「e-kakashi」の技術と知見をベースにして畜産の現場に最適化したシステムを開発する。サービスを畜産農家へ紹介や、運用のサポート、サービス開発のコーディネートは伊藤忠飼料が担当する。養鶏IoTは、栃木県那須塩原市の伊藤忠飼料研究所で実証実験を行っている。家畜の生育に最適な環境を遠隔制御できる機能の開発・提供はファクトリオートメーションなどを手がけるCKDが担う。

価格は、全て税別で、IoTセンサーが一括購入方式で1台数千円から数万円、IoTモーターが1棟2機で月額利用料金1万8000円、システム利用料金が1契約あたり月額8000円――を想定している。

【報道発表資料】
PSソリューションズ、伊藤忠飼料、CKDがスマート畜産分野で協業し、今秋から養鶏IoT(スマート養鶏)サービスの提供を開始

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。