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テルアビブにて。

【私のイスラエル訪問記】イスラエルに行って、未来が変わった

2018.07.02

Updated by Miki Alissa on July 2, 2018, 13:52 pm UTC

イスラエルにゆくと、変わる女性たち

【私のイスラエル訪問記】イスラエルに行って、未来が変わった

イスラエル女子部代表の三木です。

このところ女性の友人たちが挙って“イスラエルを訪問”していて、驚きを隠せません。

ついこの間までは、イスラエルに対するネガティブなイメージが原因で「イスラエル女子部」はある種ゲテモノ扱いを受けていました。さらに、ハイテク業界も男性の方が興味を持つことが多く、女性は圧倒的に少ないのが実態。女性が一人でも多くイスラエルに興味を持ち始めたことが、とても嬉しいです。

そして何より幸せなのは、イスラエルに訪れた女性たちは皆さん「イスラエルで自分が変わった!」というポジティブな意見をお持ちであるということ。

そこで今回は、もっと多くの女性にイスラエルへの興味を持ってもらうべく、経済産業省のプログラム「始動 Next Innovator」(2016年実施分)でイスラエルを訪問し、それから価値観が変わったという日本人女性にインタビューを行いました。

加藤愛子さん:略歴

加藤愛子さん

理系機械系大学を卒業後、大手空調メーカーに入社。R&Dセンター、奈良先端科学技術大学院大学内でのラボ立ち上げや、新規事業開発担当者として従事。現在は米国で技術調査に携わっている。さらに、プライベートでは理系女性を応援する、日本最大級の団体「Girls in Tech Japan」も立ち上げた。

悔しかったから、新規事業担当に

イスラエル女子部 三木(以下 三):加藤さん、初めまして。イスラエル女子部三木と申します。リケジョ支援をされる業界においてGirls in Techさんはキラリと光るものがあり、このようにお時間いただけること嬉しく思います。早速ですが、加藤さんのキャリアを簡単に教えてください。

Girls in Tech 加藤(以下 加):初めまして。Girls in Techの加藤です。私もイスラエル女子部さんとお話できること、楽しみにしていました。

私は、機械工学の大学を卒業後、大手空調メーカーに入社しました。当時99.9%が“人のための空調”を開発していましたが、ラッキーなことに“植物のための空調”を作る新しいチームに配属されました。研究部隊では珍しく、営業など他部署とも連携を取りながら仕事を進めていました。

その後、奈良先端科学技術大学院大学内のオフィス・ラボ立ち上げを任され、レタスにDNAを組込んで栽培し、抽出し濃縮…という新しい技術開発にも従事しました。しかし残念ながら、研究の半ばにもかからず、プロジェクトが止まってしまい、とても悔しい思いをしました。

そこで、「二度と研究者に私のような悔しい思いをしてほしくない」という想いから、ビジネスと研究開発の両面からアプローチできる人材になるべく新規事業開発部に移動しました。ちょうどこの頃に“Girls in Tech”を立ち上げました。

長時間勤務だって厭わないのに…周りは恋愛トークだらけ

▼Girls in Tech 初開催イベントの様子
Girls in Tech 初開催イベントの様子

:Girls in Techを立ち上げたきっかけは何でしょうか?

:3つ理由があります。

まずは、仕事に関して話せる友達が欲しかったからです。私は自分の目標と、仕事が一致しているのであれば、長時間勤務も厭わないタイプです。また、昇進・キャリアアップなどにも興味があります。しかし、周りの同世代の女友達は「恋愛・結婚」のことばかり話す人が多く、モヤモヤした気持ちがありました。

次に、理系女性を増やしたかったからです。当時私の周りには、理系女性が本当に少なかったのです。しかし、若い女性達が理系に進まない理由は、つまらないからではなく知らないからだという事が分かりました。本当は面白いのだけどそれが高校生・大学生に伝わっていない…その現状がもったいないと思いました。

最後は、理系人材もマネタイズの勉強が必要と考えたからです。遺伝子組換えレタスのプロジェクトの苦い経験で、研究者も“おカネを得ることについてもっと理解する必要がある!”と反省しました。技術を使ってどうビジネスするかを学ぶことが必要だと思いました。

そんな時に、米サンフランシスコで「STEM女性×起業」をテーマに“Girls in Tech”が組織されていることを知り、日本にも展開したいと直談判しました。案外すぐにOKの返事をもらえたのが面白かったです。2016年3月のことでした。

イスラエルでの驚きは、あれも、これも

▼マサダにて。バックは死海。
▼マサダにて。バックは死海。

:イスラエルへ訪問されたと伺いましたが、何がきっかけだったのでしょうか?

:2016年に経済産業省が主催しているグローバル人材育成プログラム「始動」で、選抜メンバーに選ばれたからでした。

当時の「始動」は、約120名のプログラム合格者のうち30名の成績優秀者がシリコンバレーか、イスラエルに派遣されることとなっていました。特にイスラエル派遣コースは、イスラエル外務省のYoung Leadership Program(通称YLP)の枠が充てられており、イスラエル外務省がデリゲーションプログラムを形成していました。

▼YLPで現地の政府機関やVC等の前でピッチを行いました。
YLPで現地の政府機関やVC等の前でピッチを行いました。

:イスラエルに行く前は、どんな印象をお持ちだったのでしょうか?

:正直、怖い…と思っていました。戦争とか、爆弾が落ちてくるとか…(笑)。でも、実際行ってみて、全くそんなことはなくて拍子抜けしました。イメージと全く違って、ハイテク業界は日本より進んでいる部分が多かったですし、女性の活躍も進んでいるし…。在日イスラエル大使館のメンバーともお会いしましたが、トップポジションに女性が多くいて、感動しました。

:一番驚いたことは何でしょうか?

:「一番」を選ぶのは難しいですね…(笑)。まずは、食料自給率。イスラエル60%以上が乾燥地・砂漠に覆われているにも関わらず、食料自給率は80%を超えるそうです(参照:http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20110124/218115/)。バイオ系の研究をしていた私は、その数字に驚愕しました。

あとは、起業家たちのマインドにも感動しました。イスラエルは四国くらいの国土しかありません。そこで自国でのローンチに加え、初めから米国・中国市場へのローンチを念頭に置いています。その“グローバル的視野”に驚きました。当時「始動」で企画していた起業アイデアは日本市場にフォーカスしていたものだったので、“日本は世界と比べたら小さなマーケット”であると目が覚めました。

さらに、合理的でサステイナブルなエコシステム。技術開発においてイスラエルでは、“大学・研究者・民間企業”が垣根をこえて連携を取っています。そして政府もイグジットのための制度を整えています。考えてみれば、外資企業に買収されたら外貨が獲得できるわけですよね。つまり、税収も潤うと…。スタートアップを支援する合理性に惹かれました。

▼旧市街にて。
▼旧市街にて。

:イスラエルで感動されたことがよくわかります。特に、イスラエルに行ってどんな変化がありましたか?

:そうですね…。個人としては、「顧客の幸せ」について考えられるようになりました。イスラエルでは様々なスタートアップたちが誕生していますが、どれも「誰を幸せにしたいのか」明確です。そのイメージが身に付いた影響は大きくて、実際に本業の新規事業でも活きています。

あとは、Girls in Techでも女性起業家にフォーカスしたイベントを行うようになりました。日本では起業家のネットワークは少ないのですが、イスラエルではコミュニティが小さいがゆえに何かとつながっています。起業家同士から学べることがあることがわかったので、Girls in Techでも支援を開始しました。

▼イスラエルの体験を共有するイベントを開催しました
イスラエルの体験を共有するイベントを開催しました

▼女性起業家のパネルディスカッションを企画したイベント
女性起業家のパネルディスカッションを企画したイベント

行ってみないとわからないから、イスラエルへ是非行ってほしい

▼テルアビブにて。
テルアビブにて。

:これからイスラエルとの関係を築こうとしている方へアドバイスするなら、どんな点でしょうか?

:そうですね。イスラエルのスタートアップのコミュニティは、シリコンバレーと違って小さいので、一度踏み込めば素晴らしいスタートアップにも出会うことができます。

しかし、その一方で小さいからこそ信頼を欠くようなことをすれば悪評がコミュニティに即座に広がります。既に「日本企業は動きが遅い」とか聞きますよね(笑)

私自身、現在米国に駐在していることもあり、自分の行動により他の日本企業の皆さまや日本全体の印象が悪くならないように動くことを常に念頭に置いています。

:最後にメッセージをお願いします。

:日本人はイスラエルに対して、まだ戦争が怖い、ユダヤ教が怖いといったネガティブなイメージを持っているかもしれません。しかし、実際に行ってみないとわからない事がたくさんあります。
例えば、イスラエルの食事。これまで15か国ほど訪れたことがありますが,日本食の次においしいと思っています。こういった経験がたくさん待っているので、ぜひイスラエルに行ってみてください。

Girls in Tech × イスラエル女子部コラボイベント開催決定!

イベント:イスラエルから学ぶ、STEM女性の働き方

テクノロジー分野を中心に、今世界中がその動向に注目する国、イスラエル。テクノロジーが注目されがちですが、実はイスラエルは出生率3.11、女性のマネジメントポジションのランキング上位を誇り、正に「家庭も仕事も両ドリ」しています。日本で女性がもっと活躍するためには、そんなイスラエルから学ぶことがたくさんあるのではないでしょうか。
今回イスラエルの事例を知恵袋のように提供している、イスラエル女子部が全面協力し、ワークショップを開催します。日本の女性がもっと活躍するために、「明日からできること」を一緒に考えてみませんか?

日時:2018年7月11日(水) 19時〜21時
場所:IVY WORKS 2F 株式会社モザイクワークオフィス(東京都渋谷区千駄ヶ谷5丁目1番11号)

▼詳細はこちら▼
https://peatix.com/event/392713

イスラエルイノベーション IRI イスラエルイノベーション特集の狙い

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三木 ありさ(みき・ありさ)

1992年生まれ。早大法学部在籍中にプリザーブドフラワー専門ブランド立ち上げに参画し、楽天ナンバーワンブランドに育てる。卒業後。外資系メーカーにその企業初の学卒マーケターとして採用されCRMを担当。その後、日本酒ベンチャーで新ブランド立ち上げに参画。現在は、イスラエルのハイテク製品を日本に展開する企業で新規事業開発マネージャーとして主にHealthTech、EdTech製品を担当。また、イスラエル女子部を立ち上げ代表に就任。これまで、延べ450名に「イスラエル×女性×教育・起業」などテーマに講演。詳しくは「Be a Strong Woman」を参照。