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AIで振り込め詐欺を抑止、佐賀銀行ATMコーナーでオプティムが実証実験

2018.07.31

Updated by Naohisa Iwamoto on July 31, 2018, 06:25 am JST

後を絶たない「振り込め詐欺」。警察庁のWebサイトによれば、2017年には3年連続で被害金額は減少したものの、認知されているだけでも394億7000万円という膨大な金額が搾取されており、認知されている件数そのものは増加しているという。こうした被害をなくすため、人工知能(AI)を活用したシステムの実証実験が始まる。

実証実験は、オプティムが佐賀銀行のATMコーナーで行うもの。ATMを使った振り込め詐欺の振込を未然に防ぐため、オプティムのAI監視カメラサービス「AI Physical Security Service」を利用する。このAI監視カメラサービスを利用することで、「ATMコーナー監視システム」の実用化に向けて検証を進める。

▼オプティムの「AI Physical Security Service」画面イメージ(ニュースリリースより)

ATMコーナー監視システムでは、ATMコーナーを撮影している監視カメラの映像をAIで解析し、来店客が振り込め詐欺に遭っている可能性について判定する。振り込め詐欺被害に遭遇しているとシステムが判定すると、行員に通知して来店客への声かけなどの対策を実施できるようにする。ATMコーナー監視システムで利用するAI Physical Security Serviceは、オプティムが提供するIoTプラットフォーム「OPTiM Cloud IoT OS」で動作するAI監視カメラサービスで、今回のシステムではリアルタイムに振り込め詐欺を検知する必要性から、映像の解析は銀行の店舗側に設置したEdgeBoxと名付けたエッジサーバーで実行する。EdgeBoxには、NVIDIAのGPUを搭載し、画像処理をリアルタイムで実施できるようにした。

オプティムと佐賀銀行は、フィンテック分野を含んだ「金融×IT」分野での取り組みを推進する戦略的包括提携を結んでいる。今回のATMコーナー監視システムの実証もその一環の取り組み。両社は行動で、このシステムの特許出願を行っている。

【報道発表資料】
AI監視カメラサービス「AI Physical Security Service」を利用した、振り込め詐欺を防止する「ATMコーナー監視システム」を佐賀銀行ATMコーナーで実証開始

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。