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ロンドン タクシー イメージ

ロンドンで自動運転のタクシーが運行予定

Self-drive taxi to run in UK

2018.10.29

Updated by Mayumi Tanimoto on October 29, 2018, 07:00 am UTC

ロンドンのタクシー配車企業であるAddison Leeが、自動運転ソフトウェアのOxboticaと提携し、2021年までに空港送迎や大学キャンパス内など対象に自動運転タクシー運行を予定しています。同社はすでにロンドンのグリニッジで自動運転の実証実験である MERGEを実施中です。

Addison LeeはUberとの競合とされることもあるのですが、ライドシェアをやっているわけではありません。

どちらかと言うとプレミア感の高いタクシーサービスを提供する会社で、企業や個人はアカウントを持って空港の送迎サービスや若干値段が割高で質の高いタクシーサービスを予約できるという会社です。

そもそもこの会社のサービスが生まれた理由というのは、英国ではタクシーといえばブラックキャブの他に、ミニキャブというタクシーサービスがあるのですが、ミニキャブは値段が安い分、車内があまり清潔ではなかったりドライバーの質があまり良くないという問題がありました。ブラックキャブは都市部を中心に走っているので、アプリで配車を予約することができませんでした。

そこで、高品質で多少割高なサービスであってもアプリで車を手配したいという需要があったわけです。

事前予約が基本になるのですが、アプリはUberと比べると若干使いにくいなという印象です。

同社が自動運転のタクシーサービスの提供に乗り出すというのは、既存のサービスの顧客や配車ルートとの相関性を考えると納得です。

空港の空港からの送迎や定期的なルートの運行が少なくないので広い道路を走ることも多く、自動運転であっても対応が可能なルートが少なくありません。

さらに顧客の多くは比較的報酬が高くビジネスユーザーも多いので、自動運転の車両など最先端のものに対する抵抗感が少ないでしょう。

こういった事例は、日本において大変参考になることが多いのではないでしょうか。

まず自動運転の車というのは、まだまだ 技術的な課題も多いためかなり複雑なルートや狭い道などを運行することは難しくなります。

これは、土地が狭くて入り込んだ道が多い日本だけではなく、英国や欧州大陸でも大きな問題です。

米国と違って広い道路は多くなく都市部の人口密度の高いですから、急な人の飛び出しや交通渋滞なども大きな問題です。

しかし、こういった定期的なルートやキャンパス内の運行であればサービス提供が可能でしょう。

Uberのような激安のライドシェアのサービスは使用はしたくないがより利便性が高く値段が若干高くてもプレミアム感のある配車サービスを使いたい、という人は案外少なくありません。

自動運転の定期ルートのタクシーであれば、他の乗客との乗合も可能になりますから、バスとタクシーの中間のような感覚で質の高いサービスを使いたいという人は多いはずです。

顧客のセグメントは、中の上以上の報酬のある人や企業の経費として費用を落とせる人達になります。

自動運転やライドシェアといった最先端テクノロジーの話をするとついつい費用の節約や消費者全体に注目しがちですが、こういったセグメントに注目をすることも重要でしょう。

 

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谷本 真由美(たにもと・まゆみ)

NTTデータ経営研究所にてコンサルティング業務に従事後、イタリアに渡る。ローマの国連食糧農業機関(FAO)にて情報通信官として勤務後、英国にて情報通信コンサルティングに従事。現在ロンドン在住。

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