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【新商品開発中】小学生から大人まで プログラミング入門専用のキーボードをつくってみました

2019.08.06

Updated by Ryo Shimizu on August 6, 2019, 09:14 am JST

いよいよ来年から義務教育段階でのプログラミング教育必修化が実施されます。

しかし現実には、小学校低学年はそもそもアルファベット自体を習っておらず、また、仮に見様見真似で使うとしてもアルファベットの小文字と大文字の対応がわからず苦労しているという現状があると聞き、僕は以前、Macのキーボードに貼り付けるためのキーボードシールを開発したことがありました。

しかしそもそも子供(しかも小学校低学年)に10万円くらいするコンピュータを買い与えることのできる親御さんも限られているでしょうから、より安価で、できればRaspberry Piなどでも使いやすい教育用キーボードを作れないかということで、今回、秋葉原の老舗、TSUKUMOさんと共同で「秋葉原式プログラマーキーボード for kids」を開発しました。

この商品の特徴としては、キーボードシールと同様に、かな表記を排し、ほぼ全てのキーに大文字小文字の表記と、よみがなを振っていることです。

これにより、小学校低学年でもPythonやJavaScript、Linuxのコマンドラインといったものに触れやすくなります。また、英語のふりがなもついているのでアルファベットの勉強にもなります。生きた英語教育って結局、使ってみることじゃないでしょうか。やっぱり僕自身、特に専門的な英語教育を受けないまま21歳で渡米したときも、子供の頃からアルファベットや英単語(コマンドや関数名)に親しんでいたことが活きている気がしました。

某BBQソースのように僕の写真が載っているのはやや気恥ずかしいのですが、考案者ということと、意外と店頭で目立ちそう、ということでこのデザインを採用しました。

アスタリスクやコロンのような「みんな知ってる」記号だけでなく、「(」を「カッコ」と呼び、「)」を「コッカ」と呼ぶようなプログラマーしか使わない呼び方で解説してあるので、教室などでプログラムを音読しながら追いかけやすくなります。

実際、プログラミングのワークショップを行うと大人でも子供でも躓くのが「あの記号が違う」とか「この記号が違う」とかで、意思疎通がとれなくなることです。

ですから最近ぼくはワークショップをやる前にまずは全てのキーと記号の読み方を説明して、英語の授業よろしく全員で唱和してからスタートします。こうすると驚くほどスムーズに学習ができます。

また、このキーボードは、万が一、ジュースなどをこぼしてしまっても裏側に抜けるように排水穴がついています。
さらにマウスもついているので、Raspberry Piなどにはもちろん、自宅のPC用としてもオススメです。

この商品、既に量産は完了していて、あとは事務的な手続きが進めば今月末には発売できる見通しです。

当社で企画・デザインを担当してTSUKUMOさんのブランドで発売されるので、この製品に関するお問い合わせはTSUKUMOさんまで

https://shop.tsukumo.co.jp

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清水 亮(しみず・りょう)

新潟県長岡市生まれ。1990年代よりプログラマーとしてゲーム業界、モバイル業界などで数社の立ち上げに関わる。現在も現役のプログラマーとして日夜AI開発に情熱を捧げている。

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