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非効率なプログラマティック広告、ブランドが自社でコントロールして効率化を図れ

2019.10.08

Updated by Naohisa Iwamoto on October 8, 2019, 11:00 am UTC

プログラマティック広告のコンサルティングなどを手掛ける米MightyHive。2012年に設立された同社は、広告主や広告代理店に対して、広告運用の知見の強化やデータ活用の重要性の認識のための支援を行っている。具体的には、マーケティングやアドテクノロジーを活用するために必要な、メディア運用とトレーニング、データ戦略、分析などのサービスを提供する。2018年には、世界的な広告代理店WPPの創始者マーティン・ソレル氏が設立した デジタル広告およびマーケティングサービス会社S4 Capital と合併し、クリエイティブとCRM分野の強化も図る。MightyHive本社COOで日本オフィス代表のクリストファー・マーティン氏に、プログラマティック広告分野の課題と同社の提供する価値について尋ねた。

▼MightyHive本社COO 日本オフィス代表のクリストファー・マーティン氏

――MightyHiveのビジネスとはどのようなものか。

クリストファー(クリス)・マーティン氏:プログラマティック広告のコンサルティングサービスを、専門家ならではの能力と機能をもって提供している。マーケティングには、多様なテクノロジーがあり、多くのプレーヤーがいる。そうした複雑化しているエコシステムの中で、シンプルなソリューションを提供することを目指している。主な顧客としてグローバルブランドを運営する企業のマーケターがあり、グローバルソリューションを提供している。

ビジネスは7年前(2012年)に始めた。広告代理店とは異なり、主にメディアバイイングのコンサルティングを行う。広告の技術や運用は複雑になり、広告代理店にアウトソーシングすることが一般的になっている。そうした中で、メディア、データ、コンテンツの3つの領域でコンサルティングを行い、ブランドがメディアバイイングを自社でコントロールできるようになるための支援を行う。

――顧客にはどのようなメリットがあるのか。

クリス氏:プログラマティック広告には非効率な部分が多い。例えば広告代理店からメディア料金として100円請求されたとしても、実際に本当にメディアに対して支払われるフィーは10円程度かもしれない。その間に多くのコストがかかっている。広告プラットフォームの選定、メディアの決定、メディアバイイングといったプロセスを、広告を出したい企業そのものが取り扱えるようになれば、コストを下げてエンゲージメントを高めることができる。そうした「Wow」を提供したい。

MightyHiveは、コンサルティングフィーをもらってブランドを持つクライアント企業が、直接メディアバイイングできるような仕組みと技術を提供し、人材育成を行う。そして、スリム化、効率化を実現したら、手を引く。ここが広告代理店と大きなビジネスモデルの違いだ。

――MightyHiveのコンサルティングの特徴は。

クリス氏:MightyHiveが提供する価値はメディアバイイングの効率化だけではない。データのプラクティスも持っているし、アナリティクス、機械学習、データサイエンスの知見も持っている。広告代理店や戦略コンサルティングが持っていない能力を提供できる可能性がある。

同じことがコンテンツの分野でも言える。クリエイティブのアセット、EコマースのWebサイトのコンテンツは、他の代理店やコンサルがコアにしているとは言えない場合もある。そうしたギャップを埋めて、効率よく補完できるコンサルティングを行っている。

――実際に効果を上げている顧客の事例は。

クリス氏:最も有名な成果が、米国の通信事業者のスプリントの事例だろう。スプリントでは、メディアバイイングの予算として7億~8億ドルを使っていたが、MightyHiveがコンサルタントとして入ったことで、1億5000万ドルのセーブができた。これは2年前の話だが、500以上の顧客に対して、コンサルティングサービスを提供し、効果を上げている。

実は、こうした効率化は広告代理店のビジネスにも役立つ。我々は広告代理店のコンペティターではなく、広告代理店のビジネスをサポートする立場にもなりうる。

――日本ではどのようにビジネスを展開していくのか。

クリス氏:2019年9月に、日本でもGoogle Cloud Platform(GCP) のリセラーおよびサービスプロバイダーとして認定された。日本以外の市場では2018年にすでに認定されており、日本でも本格的にGCPのサービスプロバイダーとしてのビジネスに乗り出すことができるようになった。Googleだけでなく、AmazonやFacebook、Salesforceなどのプラットフォームともパートナーとしてビジネスを展開していく。

グローバルでビジネスを行っているMightyHiveだけに、日本市場と海外市場の間で輸入や輸出に関わる企業にメリットがある。海外の会社がMightyHiveを使って日本やアジア太平洋地域の市場のマーケティング活動を行ったり、MightyHiveを使っている日本企業の米国支社から本国の日本でも活用するような展開などが考えられる。マーケティングやアドテクノロジーの分野では、日本よりも米国やヨーロッパのほうが進んでいる。MightyHiveにはそうしたグローバルでのナレッジベースがあり、日本でもその知見を有効に活用してもらいたい。

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。