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UberEatsつけ麺事件で考えるギグ・エコノミーの盲点

Gig economy's issues

2019.10.25

Updated by Mayumi Tanimoto on October 25, 2019, 17:35 pm UTC

先日、あるTwitterユーザーが注文したUberEatsのつけ麺が配達された際に、スープが溢れて台無しになっていたので受け取りを拒否したところ、ドライバーがお皿も何もすべてをマンションの共用部に放置していってしまった、という事件がありました。

この件をユーザーがTwitterに投稿したところ、UberEatsのドライバーと思われる人々から次々に誹謗中傷が来てしまうという騒動に発展しました。

UberEats自体は大変良いアイディアなわけですが、ドライバー自身が名目上は自営業で、トラブルが起きた場合はユーザーとドライバーの間で個人的に解決してください、となっているのが難しい点でしょう。

そもそもUberEatsのみならず、ギグ・エコノミーでは、サービス提供者の個人情報確認やサービス品質がまちまちで問題になっています。

欧州で最近問題視されているのが、サイトに登録している人は単なる名義貸しで、実際は違う人が作業している場合があることです。就労許可のない不法滞在の外国人を低賃金で働かせていた、といった問題も報告されています。

サイト登録時に認証をスルーしてしまうと、実際に作業したかどうかは確認のしようがないわけで、顧客からの評価という形での品質保証はあるわけですが、運用者側でノータッチ状態になってしまっています。

これは、以前の認証が緩かった頃のAirbnbでも指摘されていた問題で、第三者にハックされたアカウントにマンションや一軒家が勝手にアップされてしまい、ユーザーが支払い後に泊まりに行くと実際は貸し出されていなかった、という事件がありました。

結局、ギグ・エコノミーの問題は、サービス提供者の個人認証や品質保証がうまくできないという点ですが、これを業界共通のデジタルIDで統合できれば良いのかもしれません。

納税処理と連動できれば、働く方も事務処理の負担が大幅に減ります。

モデルとしては、エストニアのデジタルIDのようなものになるのでしょうが、大半の国では個人情報保護の観点があるのでかなり難しいでしょう。

従来のビジネスでは、雇用者側が働く人の個人認証や品質管理のコストや手間暇を負担していたわけですが、ギグ・エコノミーの品質をアップするには何らかの形でそのコストを負担する仕組みを整えなければ、ビジネスモデルとして成り立っていかなくなるでしょう。

 

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谷本 真由美(たにもと・まゆみ)

NTTデータ経営研究所にてコンサルティング業務に従事後、イタリアに渡る。ローマの国連食糧農業機関(FAO)にて情報通信官として勤務後、英国にて情報通信コンサルティングに従事。現在ロンドン在住。

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