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講師:伊藤亜紗(いとう・あさ)東京工業大学 科学技術創成研究院 科学技術創成研究院・リベラルアーツ研究教育院 教授

スポーツは「観戦」から「感戦」または「汗戦」に翻訳するともっと楽しくなる

Sports Guide without Sight

2021.11.24

Updated by Schrodinger on November 24, 2021, 19:00 pm JST

視覚障害者と一緒にスポーツを「観戦」することは可能か? というところから、この『見えないスポーツ図鑑』プロジェクトは始まったのだそうです。しかし、そもそも私たちがスポーツを観戦しているときに、本当にアスリートの感覚を実感しているのか、と問われるとこれがかなり怪しい。「眼で観察するだけではアスリートの運動感覚は体感できない」ことがすぐに判明します。私たちの普段のスポーツ観戦は、実はその真髄を全く理解していないのです。

そこで、私たちが普段の日常生活で利用している道具の力を借りながら、振動やリズムでスポーツを「翻訳」して視覚障害者に伝える方法が浮上します。そしてこれが大成功。例えば、「空手」は実は呼吸のスポーツであることがわかったので、息を吸ったり、止めたり、あるいは吐いたり、というリズムを段ボールやタオルを使いながら、音の情報も含めて視覚障害者に伝えます。程なく、これが「観戦」ではなく「感戦」であることがわかります。

さらにスポーツによっては、「(翻訳者自身が汗をかきながら伝える、という意味で)汗戦」となり、視覚障害者だけではなく翻訳者自身でさえもが、そのアスリートの体感を実感できるようになります。トップアスリートの運動時の感覚を自分のカラダにインストールできそう、というところまで到達するわけですね。

伊藤先生は、この経験によって「触覚」の研究を深めることに導かれたのだそうです。

今回は、ラグビー、アーチェリー、体操、卓球、テニス、セーリング、フェンシング、柔道、サッカー、野球、そしてパラリンピック種目であるゴールボールとブラインドサッカーがどのように「翻訳」されたのかを講義いただきます。期せずして、野原先生(第五夜)山下先生(第七夜)に続く「科学技術翻訳の三部作」となりました。

ようこそ、シュレディンガーの水曜日 第八夜へ。

募集要項
12月1日(水曜日)19:30-
スポーツは「観戦」から「感戦」または「汗戦」に翻訳するともっと楽しくなる

講師:伊藤亜紗(いとう・あさ)東京工業大学 科学技術創成研究院 科学技術創成研究院・リベラルアーツ研究教育院 教授

講師:伊藤亜紗(いとう・あさ)東京工業大学 科学技術創成研究院 科学技術創成研究院・リベラルアーツ研究教育院 教授

1979年東京生まれ。生物学者を目指していたが、東京大学三年次に文転。2010年に東京大学大学院人文社会系研究科基礎文化研究美学芸術学専門分野を単位取得退学。同年「身体的諸機能を開発する装置としての詩 :ポール・ヴァレリーにおける作品の位置づけと身体観」により同大学にて博士号を取得。日本学術振興会特別研究員を経て、2013年に東京工業大学に着任し、現職。MIT客員研究員(2019年)。単著としては『ヴァレリーの芸術哲学、あるいは身体の解剖』(水声社、2013年)、『目の見えない人は世界をどう見ているのか』(光文社新書、2015年)『目の見えないアスリートの身体論 なぜ視覚なしでプレイできるのか』(潮新書、2016年)『どもる体』(医学書院、2018年)『記憶する体』(春秋社、2019年)『手の倫理』(講談社選書メチエ、2020年)など多数。

・日程:2021年12月1日(水曜)19:30-21:30(予定):19時半からゆるゆると開講します。
・Zoomを利用したオンラインイベント:前日までに参加URLをメールでお送りします
・お申し込み:こちらのPeatixのページからお申し込みください。


「シュレディンガーの水曜日」は、毎週水曜日19時半に開講するサイエンスカフェです。毎週、国内最高レベルの研究者に最先端の知見をご披露いただきます。下記の4人のレギュラーコメンテータが運営しています。

原正彦(メインキャスター、MC):東京工業大学・物質理工学院応用科学系 教授原正彦(メインコメンテータ、MC):東京工業大学・物質理工学院・応用化学系 教授
1980年東京工業大学・有機材料工学科卒業、1983年修士修了、1988年工学博士。1981年から82年まで英国・マンチェスター大学・物理学科に留学。1985年4月から理化学研究所の高分子化学研究室・研究員。分子素子、エキゾチックナノ材料、局所時空間機能、創発機能(後に揺律機能)などの研究チームを主管、さらに理研-HYU連携研究センター長(韓国ソウル)、連携研究部門長を歴任。現在は東京工業大学教授、地球生命研究所(ELSI)化学進化ラボユニット兼務、理研客員研究員、国連大学客員教授を務める。

今泉洋(レギュラーコメンテータ):武蔵野美術大学・名誉教授今泉洋(レギュラーコメンテータ):武蔵野美術大学・名誉教授
武蔵野美術大学建築学科卒業後、建築の道を歩まず、雑誌や放送などのメディアビジネスに携わり、'80年代に米国でパーソナルコンピュータとネットワークの黎明期を体験。帰国後、出版社でネットワークサービスの運営などをてがけ、'99年に武蔵野美術大学デザイン情報学科創設とともに教授として着任。現在も新たな表現や創造的コラボレーションを可能にする学習の「場」実現に向け活動中。

増井俊之(レギュラーコメンテータ):慶應義塾大学環境情報学部教授増井俊之(レギュラーコメンテータ):慶應義塾大学環境情報学部教授
東京大学大学院を修了後、富士通、シャープ、ソニーコンピュータサイエンス研究所、産業技術総合研究所、米Appleにて研究職を歴任。2009年より現職。『POBox』や、簡単にスクリーンショットをアップできる『Gyazo』の開発者としても知られる、日本のユーザインターフェース研究の第一人者だがIT業界ではむしろ「気さくな発明おじさん」として有名。近著に『スマホに満足してますか?(ユーザインタフェースの心理学)(光文社新書)など。

竹田茂(司会進行およびMC):スタイル株式会社代表取締役/WirelessWireNews発行人竹田茂(司会進行およびMC):スタイル株式会社代表取締役/WirelessWireNews発行人
日経BP社でのインターネット事業開発の経験を経て、2004年にスタイル株式会社を設立。2010年にWirelessWireNewsを創刊。早稲田大学大学院国際情報通信研究科非常勤講師(1997〜2003年)、独立行政法人情報処理推進機構・AI社会実装推進委員(2017年)、編著に『ネットコミュニティビジネス入門』(日経BP社)、『モビリティと人の未来 自動運転は人を幸せにするか』(平凡社)、近著に『会社をつくれば自由になれる』(インプレス/ミシマ社)、など。

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