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日本でもマルチクラウド化を加速、単一クラウドの大規模ノードの実証も--テラデータが説明会で

2022.03.17

Updated by Naohisa Iwamoto on March 17, 2022, 14:00 pm JST

「データ分析プラットフォームをクラウド化したいという声が国内でも圧倒的に増えてきた」。2022年3月に開催された記者説明会で、米テラデータの日本法人である日本テラデータ 代表取締役社長の高橋倫二氏はこう語った。同社では、従来のデータウェアハウスのアプライアンス製品の提供から、データ分析のためのクラウドプラットフォームサービスであるTeradata Vantageの提供にシフトを続け、その影響が日本のユーザーにも浸透してきているという。

高橋氏は、「世界市場でクラウドビジネスが年々倍増ペースで拡大している。同様に、日本市場でもクラウドのTeradata Vantageは成長が続き、新規企業の導入が進んでいる」と説明する。データプラットフォームをクラウド化したいという国内での要望に応えていることが、ビジネスの拡大につながっている。これまではAWS(Amazon Web Servicesの利用が多かったというが、Microsoft AzureやGoogle Cloud Platformの利用が増える傾向があり、日本リージョンでの運用が中心的になってきているという。

しかし、国内ではまだクラウドの利用が限定的であることも指摘する。「Teradata Vantageは、個人に関するデータはオンプレミスで管理し、それ以外のデータをクラウドで活用するハイブリッドクラウドや、複数のパブリッククラウドとオンプレミスをまたいで利用するマルチクラウドに対応している。しかし、ハイブリッドクラウドやマルチクラウドでの運用は少ないのが現状だ」(高橋氏)。

多くのデータを適切に使って有効に分析するためにも、ハイブリッドクラウドやマルチクラウドの利用を検討してほしいという。「データのサイロ化の防止や、横串でのデータ分析ができる環境を、クラウドのスケーラビリティの恩恵を受けつつ低コストで実現できる」と高橋氏は説明する。

一方で、Teradata Vantageの大規模なクラウド運用についての実証についても説明があった。テラデータが発表したもので、AWS上の1000ノードの単一クラウド環境で、大規模かつ複雑なアナリティクスが運用できることを実証した。

日本テラデータ クラウド・テクノロジー・リードの笹間則克氏は「世界でデジタル化が進み、データ量が増え続けている。しかし実際の活用は半分以下であり、分析ワークロードに使われているのはごくわずかだ。今後、データ分析が拡大するトレンドが続くとき、多様なユーザーやアプリケーションが同時にクエリを実行し、さまざまなSLA(サービス品質保証)でワークロードを実行する。管理コストを最小化して分析に注力するためには、大規模分析を単一システムでできることが求められる」と語る。

単一システムにより、パブリッククラウド間のデータ移動を減らし、重複する作業を削減するほか、リソース有効活用やシステム運用の簡素化などが期待できる。最も低いコストで大規模なアナリティクスを実現できるのが、単一システムだという。

テラデータではAWS上の1012ノードの分散システムで、1023人のアクティブユーザーが同時に数千のクエリを実行し、100TBのオブジェクトストアで数週間にわたり繰り返し試験を行った。その結果、「線形的なパフォーマンスが得られ、検索結果も安定して提供できた」(笹間氏)。テスト期間中にハードウエア上の仮想マシンの障害が発生しても安定した運用が可能で、大規模な単一クラスターでもTCOを最小化してテラデータが活用できることを示せたという。

ハイブリッドクラウドやマルチクラウドで複数のシステムにまたがることで得られる効率性やコスト削減と、単一システムで大規模に運用することの性能やコスト削減--。これら両面の価値を提供できるTeradata Vantageにより、国内企業などのデータ活用の進展を支援していく考えだ。

【報道発表資料】
テラデータ、1000ノードの単一クラウド環境で 大規模かつ複雑なアナリティクスを運用できることを実証

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。