スマートフォンと家庭用無線LANの普及で、家庭内にモーションセンサー付き監視カメラを設置し、異常時に外出先のスマートフォンに通知したり、外から家の中の様子──ペットの様子や侵入者の有無──を目で確認したり、さらにはエアコンやスプリンクラーその他の電化製品を遠隔制御することが容易になってきた。そのためのガジェットがIndiegogoなどのクラウドファウンディングの力を借りて、雨後のタケノコのように登場している。
マサチューセッツ州アンドーバーの半導体メーカー、Immedia社が開発中のBlinkも、モーションセンサー付きのワイヤレス高品質(720p)ビデオカメラで、暗視機能や温度センサー、マイクロフォンも内蔵している。不在中に動きを検知すると録画が始まり、アラートがスマートフォンなどに送られる。出荷は2015年5月を予定しており、予定価格は69ドル。
価格は低めだが機能面では競合製品と大差があるとは思えないBlinkは、Kickstarterで資金調達を行い、目標の20万ドル調達に難なく成功した。Blinkのいちばんの売りは、バッテリー寿命が長いことだ。標準的な使用──5秒のイベントを年間4千回録画──の場合、1年以上は充電する必要がないという。であるならば、配線の手間なく、頻繁に充電する手間もなく、軒先や居間の壁に取り付けておくことができる。
設置場所の自由度が高いことと、充電や電池交換の手間が少ないことは、もしもの際に備える製品には重要な特徴だ。歩数計やスマートウォッチであれば、毎日使うので頻繁に充電することも──面倒ではあるが──できなくはない。しかし、空き巣が入ることなく何週間も経過する監視カメラの電池を毎月取り換えるとなると相当面倒くさいはずだ。
他社にはたとえば太陽光発電の併用で電源供給の問題を解決している監視カメラもあるが、Blinkは小型なので、キッチンの棚に置いたり、壁に貼りつけたりと、設置場所を選ばない感じがすることも、Kickstarterで人気を集めた理由のようだ。
【参照情報】
・BlinkのKickstarterのページ
・Immedia社のウェブサイト
・Home monitoring system Blink, surpasses goal, has raised close to $300,000 in a week on Kickstarter
・Chip maker kick-starts home security camera
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