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ブラジルー欧州直通の海底ケーブル敷設で、米国企業閉め出しの動き

2014.11.05

Updated by WirelessWire News編集部 on November 5, 2014, 13:42 pm JST

ブラジルと欧州連合がブラジルーポルトガル間を直接つなぐ新たな海底ケーブルを敷設する計画を進めていることは以前に報じたとおりだが、この海底ケーブル敷設にあたって、米国企業が資材調達先から除外される可能性が高まっているとBloombergが報じている。

Bloombergによれば、このプロジェクトを監督するブラジル国営の通信事業者テレブラス(Telebras)の会長が、先ごろ行ったインタビューのなかで、シスコシステムズ(Cisco Systems)などの米国企業を調達先からはずす考えを示唆したという。

ポルトガルのリスボンとブラジルのフォルタレザとをつなぐこの海底ケーブルは、建設費が総額1億8500万ドルで、来年には運用開始が見込まれているもの。この直通ケーブル敷設のねらいのなかには、通信分野での米国への依存度を引き下げ、米国家安全保障局(NSA)などによる諜報活動への懸念を減らすことなどが含まれているという。

昨年発覚したNSAによる広範な諜報活動のなかには、ブラジルのジルマ・ルセフ大統領やドイツのアンジェラ・メルケル首相の携帯電話盗聴行為などもふくまれていたことが伝えられていた。こうした事態を受けて、両国ではそれぞれ政府機関による米国企業との契約を打ち切る動きが続いていた。

Bloombergでは、国家安全保障上の懸念が理由で米国企業が失う売上は2016年までに最大350億ドルに上るとするインフォメーション・テクノロジー&イノベーション・ファウンデーション(Information Technology & Innovation Foundation)という米政策研究グループの推定が紹介されている。また、ブラジル、ロシア、インド、中国では、NSAに反発の感情が無視できないものになっているとする業界関係者の声も採り上げている。

【参照情報】
Brazil-to-Portugal Cable Shapes Up as Anti-NSA Case Study - Bloomberg
Brazil begins laying its own Internet cables to avoid U.S. surveillance - Washington Post

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