米FAA、ドローンの商用利用に関する規制案を公表
2015.02.16
Updated by WirelessWire News編集部 on February 16, 2015, 15:49 pm JST
2015.02.16
Updated by WirelessWire News編集部 on February 16, 2015, 15:49 pm JST
米連邦航空局(Federal Aviation Administration、FAA)が現地時間15日、ドローン(無人機)の商用利用に関する規制の枠組み(frame of regulations)案を公表。商用利用を例外的にしか認めない従来のルールに比べてかなり緩やかな内容となっている反面、アマゾン(Amazon)の無人飛行機配送プロジェクト「Prime Air」などのような利用形態については実現までにしばらく時間がかかりそうだという。
FAAはこれまで例えば映画撮影といった一部の用途に限ってドローンの商用利用を認めていた。今回のルール案では、55ポンド(約25キログラム)以下のドローンについて、飛行時間帯を日中に限ることや飛行の高度を500フィート(約152m)までとすること、空港の近隣での飛行を禁じることなどいくつかの制限が課されるものの、ペーパーテストに合格するだけで運航資格(有効期限2年間)が得られるなど一部で出ていた予想よりもかなり緩やかな内容となっている。ただし、運行者の視界に入る範囲内でドローンを飛ばすことも条件のひとつとされているため、「Prime Air」のような比較的長い距離の飛行はできないことになるという。
FAAではそのほか、4.4ポンド(約2kg)以下の超小型ドローンについて、人にぶつかっても危害を与えることのないソフトな素材を使用したものについてのみ、ペーパーテストなしで利用できるルールも検討しているという。
FAAでは公表した新ルール案について、60日間のパブリックコメント募集期間を設けており、寄せられた意見などを参考にしながら、早ければ来年にも最終的なルールを発表することになる可能性があるとWSJでは記している。
WSJでは、新ルール案の公表を「重要なマイルストン」と前向きに受け止める業界関係者などの声が紹介している。またBloombergでは、ドローンの商用利用解禁による経済効果について1億ドル以上とするFAAの予想に触れつつ、たとえば携帯電話基地局(鉄塔)での作業時に起こった人命事故の死者数が2004〜2012年に95名、また航空写真撮影に関連する飛行機の墜落事故で亡くなった人の数が19人(2005〜2009年)に上っていたことを挙げ、それらの人命の代償(推定920万ドル)に比べれば新ルールの実施コスト(当初5年間で推定680万ドル)は十分正当化されるとするFAAのデータも紹介している。
【参照情報】
・Press Release - DOT and FAA Propose New Rules for Small Unmanned Aircraft Systems - FAA
・The FAA just took a huge step towards legalizing commercial drone flights - The Verge
・FAA Proposes Rules to Allow Commercial Drone Flights in U.S. - WSJ
・FAA: Small Drones Will Provide Significant Benefits - Bloomberg
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