急増中の公衆Wi-Fi利用者、しかしスマホ利用者の75%は非使用--ICT総研調べ
2012.10.22
Updated by Naohisa Iwamoto on October 22, 2012, 18:57 pm JST
2012.10.22
Updated by Naohisa Iwamoto on October 22, 2012, 18:57 pm JST
ICT総研は2012年10月22日、公衆無線LANサービス利用者予測調査の結果を発表した。公衆無線LANサービスの2012年度末の利用者は前年比1.6倍の1274万人に上るが、スマートフォンのデータオフロード(参考情報)の役割はまだ十分に果たしていない実情が明らかになった。
予測調査によれば、公衆無線LANサービスの利用者は急速に増加する。2011年度末(2012年3月末)の利用者集は808万人だったが、2012年度末には58%増の1274万人に達する。その後も毎年400万人以上の増加ペースを維持して、2015年度末には2568万人に拡大するとの予想だ。利用者の属性は、2011年度末にはビジネス利用者が133万人、個人利用者が675万人。今後は個人利用者を中心に利用が伸び、2015年度末にはビジネス利用者は330万人に対して、個人利用者が2238万人にも上ると予想している。
公衆無線LANサービスは、モバイルパソコンなどのインターネット接続としての用途で普及が進んできたが、役割が大きくシフトしていると指摘する。スマートフォンユーザーの急増に対して、携帯電話事業者の3Gネットワークからデータを分散させるデータオフロードの役割を公衆無線LANサービスに担わせるようになってきたためだ。携帯電話事業者はスマートフォンユーザーに対して実質無料で公衆無線LANサービスを提供している。公衆無線LANサービスの利用者は、今回の調査でもスマートフォン利用者に多く、スマートフォン非利用者に少ない傾向が見られた。しかし、スマートフォン利用者であっても公衆無線LANサービスの利用は25%弱にとどまった。スマートフォン利用者の75%超は、携帯電話事業者が狙ったようなデータオフロードの回線として公衆無線LANサービスを利用していないということだ。ICT総研では公衆無線LANサービスを使わない理由として、「バッテリーが減少することを懸念したり、電波の切り替え設定が面倒」といった課題を挙げている。
公衆無線LANサービスの利用者満足度を調べた結果も公表された。首位はKDDIとソフトバンクモバイルが62.0ポイントで並び、UQコミュニケーションズが3位につけた。KDDIとソフトバンクモバイルにWi-Fiスポット数で差を付けられているNTTドコモは、57.2ポイントで6位という結果だった。
【報道発表資料】
・公衆無線LANサービス利用者予測調査を発表
おすすめ記事と編集部のお知らせをお送りします。(毎週月曜日配信)
登録はこちら日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。